精華 I

Dialogue

「学生と掛けてお祭りと解く! その心はっ?」

「学園祭!!」

「「「「「「おーッ!!」」」」」」

「(……わけわかんないな)」

「ということで、学園祭〜。クラス毎の出し物は結構決まってきてるんだ〜♪」

「あとはメインイベント?」

「うん、なかなか決まらないんだけどね〜。この前すっごく面白い意見もらっちゃって、ど〜しよっかな〜って検討してるトコ」

「なになに?」

「じゃーん! 名付けて! 女子は男装、男子は女装、ミズ・ミスタ・逆コンテスト!」

「「「「お〜〜〜!!」」」」

「(……そのまんまじゃないか、名付ける意味がないな。女装? ……パスだ)」

「どう思う? みんな、どう思うっ?」

「いいと思う、すごくいい! わたし、ジェイソンの格好したいな〜♪」

「(リノア……ジェイソン? あんた生徒じゃないだろ……第一それって男装か?)」

「私はそうね……燕尾服とか着てみたいかも」

「(キスティスだったら似合いそうだな……なんかこれって女子に圧倒的に有利じゃないか?)」

「ってちょっと待ったぁあ! 女子はそれでいいかもしんねぇけど、オレ達は?!」

「(ゼル……よく言った)」

「ゼルさんは……アリス服とか似合いそうですよね♪」

「え?! ……そ、そう?」

「あ、いいね、うん、きっと可愛いよ♪」

「(……侮りがたし図書委員。というかゼル……その気になるなよ……)」

「ニーダは白雪姫の恰好なんていいんじゃない?」

「えっ……そうかな、あははー……」

「(ニーダ……居たのか、気付かなかった)」

「じゃなかったら白鳥のチュチュとかさ」

「あ、あはははは……」

「(チュチュ? バレリーナの? ……シュウ、どういうセンスをしてるんだ)」

「ね、ねぇ。僕身長190近くあるよ〜、女の子の服なんて入らないから〜……」

「あ、大丈夫! 作るから!」

「(……逃げ場がないぞアーヴァイン。しかしこれは検討中の話じゃなかったのか。なんで決定事項みたいになってるんだ……)」

「アーヴィンはね〜そうだね〜。折角身長あるんだもん、ミニスカメイドやってもらおっか〜♪」

「あ、案外イケるかも!」

「……それは……」

「……………………」

「(……犯罪だ)」

「サイファーが居たら、ウェディングドレスとか着せたかったよね」

「あ、いいね〜、美人さんだね〜♪」

「……顔だけは良かったわね、そういえば」

「や、やめてくれよぉ……」

「うえぇ……」

「(……悪夢だ)」

「じゃあスコールは?」

「(振るな!)パスだ」

「「「「「なんで〜〜〜〜〜〜!!」」」」」

「……駄目」

「却下」

「禁止」

「一蓮托生」

「毒を喰らわば皿まで」

「赤信号みんなで渡れば怖くない」

「引きずり込もう悪の道」

「可愛い子には旅をさせろ」

「ライオンは崖から突き落とせ」

「なんかちょっと違わないですか?」

「(……おまえたち……あとで憶えてろよ……)」

「はいはーい! 個人的に、スコールにはしてもらいたい格好があるんだ」

「……リノア……(楽しいか? 楽しいのか? ……楽しいんだろうな……)」

「なに〜?」

「ねぇセルフィ。もちろんラグナさんも呼ぶんでしょ?」

「(……ラグナ?)」

「うん、もっちろん〜。あ、もしかして?」

「そうそう、もしかして!」

「父の日近いし!」

「いいでしょ? いいでしょ?」

「(……何の話だよ)」

「おいおい、何の話だぁ?」

「(アーヴァイン……憐れむように人の肩を叩くな)」

「スコールに、レインさんの格好してもらうの!」

「……は?」

「あぁ? レイン? ってあの、ウィンヒルの?」

「そうそう♪」

「……待て」

「それでリノアがジュリアの恰好したら完璧じゃない?」

「だけどわたしは男装しなきゃならないし」

「残念〜」

「……待てと言ってるだろ! しないぞ、そんな恰好!」

「そんな?! ……今、そんなって言った? スコール」

「(リノア……目が据わってるぞ、怖い……)」

「お母さんの恰好を、そんな恰好だなんて! 駄目じゃない、そんなこと言ったら!」

「(そういう問題じゃないだろ!)そもそも女装なんかする気はないと言ってる!」

「駄目」

「却下」

「以下略」

「早ッ!」

「大体僕等のスカートよりずっとマシじゃあないかスコール……」

「(泣くなよ……そういう問題じゃないだろ、何かが根本から間違ってるだろ……)」

「スコールも、たまにはお父さん孝行! ね?」

「孝行?(そんなのが? 普通は肩叩きとかじゃないのか? 俺が知らないだけか? そもそも何でラグナに孝行してやらなきゃならないんだ?)」

「ということで、では決定!」

「オイ!」

「はいはいは〜い、じゃあ明日からコスチューム作成開始! 男子も当然手伝うんだよ〜!」

「げ〜〜〜」

「楽しみ〜♪」

「……おおハインよ許したまえ」

「やれやれ」

「しょうがないわね」

「(……マジかよ)」

「じゃあ、かいさ〜ん! 今日は有難う御座居ましたっ、バラム・ガーデンーっ!」

「「「「「「「おーッ!!」」」」」」」

「(間違ってる……絶対何かが間違ってる……)」

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