完全版・第三巻

act23. 邪眼師・飛影!!

「欲しければオレから取ってみろ!!」

 雪菜ちゃんのためって後付けがなかったらこの頃の飛影、剛鬼よりもずっと悪役に見えますね。というより莫迦っぽい。無理矢理にフォローするならば、この頃の飛影は邪眼の影響で妖力がD級妖怪にまで落ちていたため、知能もD級に相応しく低下していた、などと言ってみるテスト。

 しかし降魔の剣は全く以て魔性の武器ではない、寧ろ妖怪の強靭な肉体と長寿をほしがって自ら切られたがる人間は多く居るだろう。ひょっとしたら降魔の剣と餓鬼玉と暗黒鏡は三位一体の神具のような気がしないでもない。

 二人必要である。永の命を望む者を降魔の剣で切り、餓鬼玉でその者の魂を吸い取り、暗黒鏡に魂を与えるが、暗黒鏡は発動しても降魔の剣の効果で既にその者の望みは叶っており、魂は吸い取られたまま発動は宙に浮く、その浮いた発動で残りの一人が望みを叶える。まぁそんな面倒臭いことをしなくても、その魂の同意なく暗黒鏡が願いを叶えるという条件なのならば、単にひとり殺して魂を差し出せば良いだけだけれども。

 蔵馬さんの情状酌量。……これを聞く限り、本当に飛影の情状酌量は謎だ。雪菜ちゃんを理由としたって、寧ろ雪菜を理由とすれば尚のこと、彼はこれからも悪事をものともしないだろうに。少年誌の思惑ってホントわからん。

 ぼたんと螢子初顔合わせ。絶対またひとりで屋上に居ると思ってた幽助の後ろからぼたんちゃん登場で、そりゃあ驚いたことだろう、誰とも関わらなかった幽助が見知らぬ女の子と一緒に居たら、そりゃあ何事かと思うよな(笑)。ぼたんてホント幽助のそばに自然と居るのがとても好き。しかも「話せば長くなる」っつーことは幽助と長い付き合いだということだ、それを自分(螢子)は知らなかったということだ、ふーん(にやにや←オヤジか)。それを顔に出すまいとする螢子ちゃんがホント可愛い。

 「せっかくシリアスな話してんのによ」……うん? てーと学校の話は幽助にとってシリアスでも深刻でもないっつーわけか。学校なんて狭かったのかなぁ。

 宿題の居残りを真面目に見てくれる竹中先生と、それに出るようになって仕事で「悪いな」って言えるようになった幽助が、とても良いなぁ。竹中先生には是非幽助の屋台にもちょくちょく来ててもらいたいもんです、そんで桑ちゃんや螢子ちゃんと未だ付き合いの続いてる幽助を見て微笑ましく思ってもらいたいものです。ついでに秀一君にも出会して、なんであの秀才と誉れ高い南野君と莫迦幽助が、なんて驚いてくれると尚ベター(ドリィ夢)。

 隙を見て蔵馬と剛鬼を殺すつもりだったんですか飛影。無理っぽ…(禁句)。もしこのみっつの秘宝が上記のとおりだったら、確かに彼はみっつとも手に入れて労せず雪菜を見付けることが可能だろうが、事情を話せばふたりから借りるくらいはできたろう、ってのはやっぱこの時点で飛影のバックグラウンドは全く考えられてなかったからだろうな(死)。

 ああしかし。「妖怪になる」ことは可能なのだな。今だったらコエンマから借りることも可能だろうしな。でも螢子はきっとヒトのままで死んでゆくことを選択するのだろうな。幽助を置いてゆくことを選択するのだろうな。とか。

 ところで「自分の仲間に危険が迫ると実力以上の力を発揮する、最も厄介な最もオレが嫌いなタイプの人間」って、桑ちゃんまんまだから飛影ちゃん桑ちゃんのことも大好きなのねーって萌えてしまったワタ死をお許しください。

act24. 恐怖の呪縛獄!!

「人の心配をするヒマはないぞ」

 百々目鬼飛影ちゃん初登場にして最後の登場(寂)。わたしはこの百々目鬼好きです(すんすん)。

 蔵馬さんなんでわざわざ刺されたんですか。そりゃあ今となれば飛影をからかうためだとか飛影をからかうためだとか飛影をからかうためだとか考えられるんですが(大笑)、この時点ではそれも考えにくい、ということはだ、冨樫さんが血を流すキャラは蔵馬さんだと決めていたと…!(殴) 暗黒武術会までずっとだもんな、結構冗談ではないのかもな。

 なんて本当はまぁ剣を手に入れるために1番手っ取り早い方法だったからでしょうが。それにしたってもうちっと自分を大事にしろとかやっぱり秀一が死んだら妖狐の身体に戻る確信があるのかとかそんなに幽助に負い目を抱かせたかったのかとか色々と邪推しまくり。スレている(わたしが)。

 霊丸、スピード遅いな! あんなずるずる動いてべらべら喋ってて反射に間に合う程度か、陣でなくとも避けられそうだ(大笑)。「誰が一体」って、あんた蔵馬の強さ知ってたってわりには注意力ないわね、とかこの頃の飛影に言うのはやっぱ禁句なんでしょうね……。

 「お前らしい」って蔵馬さん、出逢ったばっかで何でそんなに理解が深いんですか。やっぱり幽助の知らないところで色々調べたり観察したりコエンマから資料もらったりしてたんですか。むしろ冨樫さんがいきあたりばっ(強制終了)。

 登校途中の生徒達が幽助のこと見てます。幽助と女の子が仲良く話してるなんて青天の霹靂なんでしょうか。しかもにこやかに。「コエンマ喜んでたろ」なんて、あんたそのために仕事してたのかい、優しいな…!(泣)

act25. 潜入捜査開始!!

「この仕事ひきうけた〜!」

 ぼたんちゃんまたも違和感なく学校に潜入捜査(違)。「目の前の休日を遊ぶこと」って、しょっちゅうサボってた幽助にとっちゃ関係ないことかと思うが、やはり生き返ってからは真面目に学校行くようになってたのかしら、可愛いなぁ。

 山登りにあんな紙切れ一枚で地図と抜かすか貴様;;; ちょっとでも山登りしたことある人間ならあの恐ろしさわかるはずだけどな、つーか全然きっと言うほど山奥じゃないんだろうな物知らずの幽助ちゃん……。

 しかしもう既にこの時点で「幻海の除霊の能力を恐れて活動を控えている妖怪怨霊もたくさんいる」という霊界側の言葉はおかしいのぅ。幻海の森には多く妖怪が棲んでいた、幻海も彼等の名と能力を知るほどに親しかった、それでも彼女は彼等を退治しようとはしていなかった、むしろ共存関係に見えた。霊界の大嘘吐き。

 「ぼたんのヤツ、いつのまにオレが格闘技ファンだって知ったんだ」って幽助、あれだけ閻魔帳の中身をべらべらぼたんが喋ってたの聞いてもまだわかってなかったんかい(爆)。あれ、そういえばそれにしては彼等、妖怪の人生については殆ど把握してないな。あれ、もしかして妖怪の魂って死んでも霊界通らない……はずないよな、戸愚呂(弟)は霊界通って地獄行ってたもんな。あれは元人間だってことで特別なのか? 妖怪の人生は閻魔帳には全く記載されていないのか???

 ポルターガイストですとか超能力者は女の子のほうが多いという説がありますが、ここに描かれている大半は男の人だな。「力を手に入れる」ことを望むのは男のほうが多いという冨樫さんの感覚だろうか。そういえば幽助もあとでオカマが女だということを疑ってたな。敵の大半も男だった。それで最後には躯とか棗とか出てくるな。むむ。しかしこの時点でも最強は幻海だな。面白い人だな冨樫さん。

 第一次審査がこの抽選ってのはとても理に適っていて面白い方法だな。選ぶのは籤であり、もっと言えばくじを選んだ自分であるわけだ(実際には霊力だとしても)。占星術や手相は恐らく統計学に近いものだろうとは思うが、この籤って方法は実に不思議なんだよな、原理が。まぁあれはギャンブルだと考えたほうが良いのだろうな、実際寺社の収益源だったこともあるし。寄付の色づけか。

act26. 魔性の森!!

「……考えとらんかった」

 そろそろ絵は要らんかもと思い始めた今日この頃。

 第二次審査以前に喧嘩してるふたりが好き(笑)。ゲームが懐かしい系だなー、幻海さんだったらDDRとかビーマニとかでも得意そうだな〜一緒に踊りたいな〜♪(うっとり) しかしこうして見るとゲーセンの値段ってこの頃からあんまり変わってないのね。

 他のゲームは何を計るんだ、と事前に質問する幽助はやっぱり冷静。コエンマが幽助の何を見て、頭より先に手の莫迦だと言ったのかが非常に気になる(笑)。飛影が幽助を莫迦と言う理由ならわかるんだけどな、似た者同士だから。

 しかしここでの野球拳勝利に霊力が必要なのはわかるが、平素のじゃんけんでも霊感が関係してくる世界観なのか? あれは完全に運と、性格と癖と、若干の駆け引きだろう。霊力は運を操れるということか? 仮に操れるとしても、それは幽助や桑原にとって基本的に今迄有利に働いてはこなかったわけだ、何せ彼等は社会の爪弾き者なのだから。何に於いての運だ?

 まぁ良いや。負けず嫌い幽助と桑原、ふたりとも当初の目的を忘れてます、可愛い。しかし桑原君、あれだけ集まった中で1番霊感に秀でていたのか。ふーん……。

 気になる逸話があります。落雷や災難を避けるためにまじないとして唱える「桑原桑原」という言葉がありますが、その由来として「和泉国で雷神が井戸に落ちた時、ふたをして天に帰さなかったところ、自分は桑の木が嫌いなので桑原と唱えたら二度と落ちないと誓った(goo辞書より)」というものがあります。幽白で雷神と言ったら恐らく雷禅のことだろう。血筋的に霊感に優れた桑原家はひょっとして、昔から雷禅の天敵だったとかな。これだけで話が作れそうだ(笑)。

 妖怪達の楽園。魔性の森は今も、そうしてこの先の未来も、妖怪達の楽園であったわけだ。幻海は決して妖怪という種族を忌み嫌っていたわけではない、ただ戸愚呂が自分に嘘を吐いてでも自分を痛めつけていたことに対しての「妖怪の身体」への否定だったのだろう、あれは。

 或いはひょっとしたら、妖怪に打ちのめされた戸愚呂の様を見て彼女は、人間界に妖怪の受け皿を作ろうと思ったのかもしれない、とかドリー夢見てみたり。

act27. 闇の中の死闘!!

「霊気の剣?!」

 展開を考えていないために次週に引き延ばす手法は週刊少年漫画では良くある手法だし冨樫さん自身がコミックスコメントで暴露していたが、この頃は先週「考えとらんかった」などという引きでも、実はちゃんと考えてあって単なるギャグだったのだろうなぁと好意的に考えられるほど幻海師範のキャラクタが面白い、と言っておこう(笑)。

 乱童のこと忘れてた幽助が素敵(笑)。この子、始めるまでは結構慎重に調査したりするのに、いざ始めちゃうと猪突猛進というか視野狭窄というか一心不乱というか。このアンバランスさが巧く働けば仕事に対して熱心で真面目という形容を付けられるけれども、やはりそのためには計画の段階で方向性を与えてやる参謀役が必要かしらん。果して蔵馬の手に負えたかどうかは別として、当初彼の存在の意図はそれだったんだろうな。

 なぞの中国人が好きです。現代忍術も気にはなりますが、まぁ。組み合わせが決まった時点で下段の3人は乱童候補から外れましたな。

 過失致死と片付けられるにしたって殺しがOKとなると、幻海さんの警察というか政界への影響力だとか色々と考えてしまうのですが、まぁ突っ込んじゃいけないところなのだろうな。突っ込んだら面白いんだけどな、だってそうなったら後継者の幽助に全権が委ねられる可能性が…!(ガタガタブルブル) 絶対に日本政府も裏で魔界と繋がってるはずだよな、霊界が結界解いてからの世間に対する情報展開が(たとえ情報価値としては都市伝説レベルに薄いにしろ)早すぎる。もしそうだとしたら、人間達は幽助を食いものにしようとするだろうけれども。どうせ今迄だって彼は世間様の食いものにされてきたと言ってしまえばそれまでなのだけれども。……あのまだほんのちいさな子供に過ぎない彼は、やはりもう少し大人になるまで幻海や蔵馬や魔界の庇護下にあったほうが、色々な意味で波風が立たないような気がする。

 「選ばれた者がどんな者でも資質のある奴に奥義は渡す、たとえそいつがとんでもない悪党でもね」「とんでもねーバーサンだ、ますます負けるわけにいかなくなったぜ」……気になる台詞だ。今の幽助の論理にとっては「善悪はどうであれ力は強い者に宿る」べきではないのだ。ならば彼は、自身を「ロクなことしねー」と評した彼は、幽助という器の抱えるつよいちからを、果してどのように受け止めていたのだろう。彼の価値観にとって「悪」に属するのだろう幽助という器の抱える強大なちからについて。

 ならば少なくともこの時期の幽助にとって自分に宿った力は、「善」に属するちからなのだと解釈すべきである。自身のちからを「正義」の抱える力だと彼は認識していたことになるであろう。喧嘩の能力は? 父親から母親を守るため。霊能力は? 異界から人間を守るため。いみじくも彼自身がact3で言っていたではないか、「もし生き返ることができるなら悪いことやめてもいいぞ」「ケンカは悪いことじゃねーよな、多分」と。彼は己の性質をこそ悪と思っていたかもしれないが、己の力については何ら悪を感じてはいなかったのだ、寧ろそれは善に属するちからだったのだ。

 ぼたんちゃん登場。「右手気を付けろよお前」って、まさかあの構え、ぼたんも霊丸出せるのかーッ?!;;; しかしぼたんさん、既にこのとき幻海師範の死期を知ってたわけだよな。クールだよなぁ、この頃のぼたんちゃん。死人に対しても底抜けにあっかるいしさ、後半の良く言えば情に厚い彼女からは想像もつかん。やはりヒトの器に入ると肉体に精神が引き摺られるんだろうか、とすれば人間界バージョンコエンマの忍に対するあの余裕のなさも、妖狐に戻れないまま長い時間の経った蔵馬の涙も、肉体の影響を受けてのことだと解釈したほうが自然なのかな。

 霊気の物質化は……理解の範疇外なのでパスしたいが、まぁ桑原くんにはぴったりでわたしは嬉しいとだけ(笑)。

act28. 武道家・牙野!!

「戦いの前の一服を」

 これか、彼女を描くのかワタ死……!

 まっりっあっちゃーん!!(煩瑣い) 幽助の煙草に出てるだけでも嬉しいよまりあちゃん!(うっとり) 幽助がCUPIDなら桑原君はDEVILなんてどうでしょう煙草の銘柄。んでもきっと天使のほうが重くてキツいのよ〜、うふふ〜(楽しそうだな)。

 保護者。そうなのか、ぼたんから見て螢子ちゃんは保護者なのか……。保護者、ねぇ。何を気にしてるんだわたし。保護者、か。螢子は果してそうと取られることにどう感じていただろう、多分に学校の先生などもそう見る傾向があったのではないかと思われるが、ひょっとしたら否定もしない幽助自身もそう感じていたのかもれないが、保護者、か。螢子はそこまで自分のことを大人だと思えていただろうか、果してそう言われることに哀しみを抱いてはいなかっただろうか。

 キバノって名前と顔と髭が実は物凄く好みなのだと気付いたわたしは尾崎紀世彦ファン。……どうやって日月サンが顔の区別を付けているのかワカリマシタ、髭以外似てねーよ。

 大腕硬爆衝は何というか、あの。サイボーグの技術は昔から研究が盛んですが、身体機能の一部だけを強化する方法はとっくに見捨てられてると思います。例えばこれのように腕だけを百万馬力にしたとしても、腕には1tの鉄を持ち上げる力があったとしても、それを支える生身の肉体或いはサイボーグ部分との連接部がそれに耐えられず壊れてしまう。この技は、そういう技だ。腕だけに力を集めても通常は何のメリットもない、だが。

 霊力の効果がホントわかんねーからなぁ……。桑ちゃんの霊剣も、木刀よりずっと威力あったし、腕が太くなるのは単にシャレで、この技の本当の醍醐味は霊力の蓄積と見るべきなんだろうな、やはり。

 そんなキバノさんを幽助君、霊丸で撃破……って、ちょって待てーッ!;;; 君はついこないだまでソレで岩本の頭殴ってただろう、たかが君のパンチの倍程度の威力だったろう、それでどうして鉄仮面を割れるんだー!;;; 訓練もしてないのに。努力もきっとしてないだろうに。幽助……ホントに格闘センスは抜群なのね……。

act29. 忍者・風丸!!

「うかつに近寄れんな」

 ホントーにわからないのが、霊感がない=運がない=ジャンケンが弱い、「ではない」ということだ。霊感がある=ジャンケンが強いってのは桑原君と幻海師範が言っているところのことだが、ジャンケンに強い=運が強いではないらしいのだな、これが。

 幽助は霊感が弱い。ジャンケンも弱い。にも関わらず運はある。……わからん。幻海師範のゲームは特別仕様で、桑ちゃんの(飛影と蔵馬に勝った)ジャンケンの強さは霊感関係なく本当に偶々、なのだと解釈すべきなんだろうか。そしてまた、霊感とは別に運勢を呼び寄せる「霊格」というものが存在するのだろうか。

 幽助、本当に今回運だけで勝ってます。いやまぁそれも強さなんだと言っちゃえば確かに結果論なんだけど、物語の都合なんだと言っちゃえば実も蓋もないんだけど、むう。風丸の追跡手裏剣を見ると、どーしても鴉さんを憶い出してしまいますが、それに運で勝てた幽助と運じゃ勝てなかった蔵馬を見ると、「運勢も霊格が高ければ呼びよせることができる」という理論からいけば、幽助のが霊格高いわけだ。まぁ闘神の息子で妖怪になったばっかからS級のひとだもんな(遠い目)。

 霊気が戻れば霊丸って回数制限以上に打つことができるのね、ふーん。そういえばイチガキ戦でもそうだったな。だとしたら「1日使用制限4回」ってのはやはり、あくまでも物語の都合なのだ。霊力(妖力か)が上がった対仙水戦に於いて、魔界で幽助は今迄程度の威力に分けてだったならば、本来のこの理屈でいけば、何発でも撃つことができただろう。

 「もしもあいつが乱童だとしたら意地でもこのまま負けるわけにはいかねェ」てぇのがちょっと気になります。「このまま負け」たとしたら、桑原君に迷惑が掛かるから? それともその先人間に被害が及ぶだろうことを考えて?

 「ちょっとしゃくだがあとはてめーにまかせたぜ」という台詞を見る限り、後者に見える。この子はどれほど自分を傷付けてきた人間を好きなのだろう、そうして人間を食べざるを得ない妖怪を好きになってゆくのだろう(泣)。

act30. 少林=乱童!?

「おりゃ!!」

 まるで不思議の国のアリスちゃんな桑ちゃんに激しく萌え。わたくし桑原受けも全く以てオッケーです(爽笑顔)。つーか信じてもらえないけど4人の中で1番理想だと思ってるのは桑原君です、本当です。

 いいないいな、まるで南君の恋人だよ?! いや寧ろ南野君か(オイ)。面倒臭がりでもからかいには手間を惜しまない南野君があんな桑ちゃん見付けたら喜んで服とか手作りしちゃうと思うな、ふりふりレェスのワンピースとか!(興奮) こんなちっちゃかったら使い物にならないかなぁとか思いながらいじってからかうのもまた面白!(ナニをだ)

 ……もしかして自分、蔵桑だったのかしらと素に返ってみる瞬間。まぁ面白いから何でも良いや(良いのか)。

 「ぶっ殺されちまえ」のときの幽助、どうして中指じゃなく人差し指立ててるんだろうとか、同じコマで幻海が「…………」って黙ってるのは単に呆れてるからなのか、それとも乱童と気付いているからなのか、とか。

 野球のことはルールさえわからないので何とも言い難いんですが、落合さんって野球選手でしたっけ。桑原君は確かにスポーツで言うと野球っぽいですね。幽助君はスキーとか、南野君は弓道とか、飛影君は合気道とか。……他の3人が皆して個人競技ってあたりがアレですな。飛影はさりげなくフットサルとかも似合いそうなんだけど。

 とかくだらないこと言ってごまかしてみる。あんなに何もできない状態にされて無力感を味わうのはとても、怖い。

act31. 怒りの鉄拳!!

「おい、ボウズ。何故戻ってきた、まだじゃぞ」

 幽助さん、桑原さんが殺されかけてやっとのこと、99人が殺されたということの実感が湧いたようです。そりゃあな、湧いてなんかなかったろうな、自分が死んだとはいえ、死んだあの場面を見れば尚のこと、あの子供は他人の死なんか知らないことが窺い知れる。だからまぁ、それを知った上で明るく笑ってるぼたんだとか蔵馬だとかとの差が面白いわけだが。

 斬空烈風陣は風華円舞陣に似てますな。思い切り良い受け躱し(てねーか)方が幽助らしいなぁ、本能的に自分を最も効率良く守る方法を心得ていそうだ、あの子は。自分を大事にしなさすぎの蔵馬ちゃんに少しは教えてあげてください。

 幻海師範という人はしかし、本当に色んな意味で強い人だな。乱童の力をわかって尚、弟子選考会を続けるのか。幽助の勝ちを信じていたわけではないだろう。あれを始まりと言いながらも、決して殺されなどしないことを確信していたのだ。乱童は決して弱くはない。暗黒武術会の時点で飛影や蔵馬が全妖力ないし命まで差し出さなければ召還できなかった魔界の生物を、たとえレベルは違えどもいともあっさりと呼び寄せているのだから。

 ところで乱童が勝っていたとして、霊光波動拳が彼に継承される可能性は果してあったのだろうか。霊光玉はその名の通り、妖気ではなく霊気をその原料とするのではないのか? のちに幽助は妖怪となるが、あの強大な力の何処かには果して霊光玉の欠片でも残していたのだろうか、それとももはや妖力のみで霊光玉はなりを潜めていたのだろうか。わからんな、推測する手掛かりもない。

 「どんなにどんなにどんなにどんなにどんなにどんなに」ってのが仙水ぽくて良い感じだ乱童。無駄に丁寧な言葉遣いとか相手の強さに感嘆する姿勢とか、意外と好きでした乱童さん。て既に過去形かよオイ(笑)。

act32. 奥義継承者決定!!

「いい声で鳴いてくださいよ」

 策士策に溺れる。……はて???(首傾げ)

 幻海さん風に言えば「相手の聴覚を通し、脳細胞から全身へと直接念波を送り込む術」となるが、呪詛完了には条件がある。1.被呪者は呪文を脳で把握しなければならない。2.被呪者以外が呪文を聞いても呪詛は掛からない。3.被呪者が耳を塞げば呪詛は呪者に跳ね返る。

 2.より、呪術がと或る指向性を持ったものと知れる。3.より、跳ね返る呪詛返しにも指向性があると知れる。

 仮定。1)呪術効果=呪文だとすれば、条件2.が当てはまらない。2)呪術効果!=呪文だとすれば、条件1.が当てはまらない。

 とすれば、呪詛の効果を上げるためには「指向性を持たせること(ターゲットを定めること)」+「呪文を聞かせること」が双方共に条件とならなければならないと思われるが、だとすれば被呪者が呪文を聞かなかった際の呪詛返しも防げることにはなるまいか。呪者が耳を塞げば、被呪者から跳ね返る呪詛に、呪文という前提条件が加わらないことになるのだ。それは呪詛返しが成立しないことを意味する。

 まぁ呪詛時と呪詛返し時の条件が同じだと仮定した場合限定の話。そんな保障は何処にもないのでただの与太話。閑話休題。

 幽助の走馬燈がとてもリアルな気がします。皆さん死にかけたとき、そんなに色々と憶い出すもんなんでしょうか、愚痴すら殆ど浮かばないのが普通じゃないかなぁとか思うんですが、はて。寧ろ走馬燈が走るのは残されるほうじゃないのかな、幽助が仙水に殺されたかけていたときの桑原君のように。死にゆく者に夢は必要だろうか、生きてゆく者のために夢はあるんじゃないのか。あ、そうか。だから走馬燈は、死にかけて、でも生きたい人が見るものなのか、な。何となく納得。まぁつまり、act1の感想で述べたとおり、幽助はそういうことなんだろう。「ゲームオーバー」という言葉にそれが顕著に表れているような気がする。

 そう考えると、桑原の幽助に対する発破って物凄く的確だ。それを言わせた冨樫さんがそういうひとなんだろう。「生きろ」なんて言われてどうこう動かされるひとではないのだろう、彼は。そんな言葉は全く以て幽助の生を誘発などしないのだ。負け犬らしくくたばってろ、か。これはまぁプライド高い人じゃないと効かない言葉だろうけどな、そういうところ確かに冨樫さんにもありそうだ、自意識というよりは美意識と言ったほうが近いかもしれないけれど(笑)。

 「本来あたしの霊波動はこーゆー使い方をするべきもの」って言葉が痛くないデスカ幽助。「技の本質」を、その高潔な自我によって体現せしめはしても、その技を技術として使う器量はなかったわけだ幽助(遠い目)。技術的な後継者は雪菜ちゃんなんだろうなぁ、やっぱり。

act33. 妖魔街からの挑戦状!!

「あれが敵のアジトの迷宮城か」

 幽助を主人公として考えるとタイトルが不明です。妖魔街の方々が要求を突き付けたのはあくまでも霊界に対してであって、人間界の住人は蚊帳の外です。単なる人質は、誘拐犯の要求を「挑戦状」などとは言えません。この頃本当に幽助は霊界の手足だったのね。まぁ良いや。

 ああしかしたった半月で「まだ戻ってきてない」と驚かれちゃうのか。そういえば学生時代の時間の流れってそんなもんだったかしら。社会人になっちまえば半年一年音信不通でも日常になるよな、だから歳取るの早くなるのか(ずーん)。

 幽助君夏服シーン。他校学生まで夏服じゃなければ言い訳できたのにね……。とか書いてる今日、もはや10月なのですが、真夏日で袖無しでいてもと言うか、いたらと言うか、日差しがジリジリ照りつけて痛いほどでありましたよ。まぁそんな日もあらーな。

 「妙な霊気を感じるぜ」。……霊気? 桑ちゃん、霊気?! それが妖気ではないのか、結局霊気と妖気の間に殆ど差異はないのか? でも乱童のときに風丸を見てぼたんが「気を失ってるあいつから妖気が感じられない」と言っていたしなぁ。単に桑原がまた霊気と妖気を見分ける力を身に付けていないために出た言葉と解釈したほうが良いんだろうか。

 さて、妖魔街の位置づけだが、うーん。亜空間に霊界が張った結界は、B級以下の妖怪をすべて素通りさせてしまう荒いものだと言う。ならばそこを通れない四聖獣は、戸愚呂(弟)よりも強いことになってしまう。……あり得ねぇ。あり得ないのならば、彼等が通れない霊界の結界とは、のちに桑原が切る結界とは別物であるのだ。

 妖怪が魔界と人間界を行き来するには、結界以前に自然発生する次元のゆがみが必要だと言う。今回、蔵馬と飛影が難なく妖魔街にやってきたことを考えると、(後のように霊界特防隊が協力したとも思えないので)あの場所は魔界とは言いながらも、人間界にできた一種の妖気の澱みなのではなかろうか、魔性の森のように。魔性の森を幻海が管理していたように、妖魔街もまた、霊界に管理されていたのではなかろうか。と考えれば納得がゆく(左京か仙水か誰かが後に「妖魔街などとは違う本物の魔界」と言っていた記憶があるのだが見付からない…。)。人間界に在るのならば、人間を好物とする腐餓鬼が多く居たことも納得できる。

 或いは陰陽五行で四神とされているように、四聖獣は人間界で妖気の澱みの中に生まれた存在なのかもしれない。瘴気が強くなればD級以上の高等妖怪が人間界でも生まれるとは、コエンマが説明していたではないか。もしそんな場所に移住者が集まり、更に妖怪がその場所で生まれ続けていたのだとしたら、彼等の人間界への移住は結構切実な要望だろう。腐餓鬼の例を見るまでもなく、妖魔街の住人は四聖獣をトップとして統制が取れている、実に人間的に縦社会の仲間意識というものを持ち合わせたイキモノたちである(仲間意識は皆無と言った蔵馬ちゃん怖い…。)。とすれば、彼等は「共食いができない」のだ、それは養殖人間を見てもわかる。食糧事情と住宅事情は、霊界が把握するところだったのかどうかは不明だが、かなり逼迫していたのではなかろうか。だからこそ移住を望んだのではなかろうか。

 ってだからこの頃の悪役に肩入れしてどーすんだワタ死。

 どうでも良いけど、なんでわざわざ夏服から冬服に着替えて来てんだろ幽助。どうせ着替える暇があるんだったら、ボロボロになっても良いように安いTシャツでも着てくりゃ良かったのに。

act34. 裏切りの門!!

「なにおォォ、コラてめーやんのかオイ?!」

 …………。蔵馬と飛影が「復帰」する「社会」って何処なんだろう。特に飛影、彼の情状酌量は、何を考えてたんだ霊界。前科なしか。まぁ初犯か、ヒトも殺してないしな(多分)。当時ではD級にランクされていた飛影の力を取るに足らないものと見倣し、いつでも始末できると考え、コエンマ側からしたら幽助のサポート、閻魔側からしたら妖怪犯罪率の水増し、といった目論見での放免だろうか。

 ついでにあのふたりが「第1級犯罪」妖怪って……。妖怪にとっての犯罪って? それはさておいても、人間界の情報はチェックできるようだったが、飛影はともかく南野蔵馬も、あの姿でそんなに悪いこと繰り返してたのか……? それとも霊界とは違い、妖魔街ではちゃんと妖狐蔵馬=南野蔵馬と認識していたんだろうか。もししていたのだとしたら、四聖獣程度が挑むのはあまりに無謀。仮に(本物の)魔界の情報をもウォッチングしていたのならば尚更だし、飛影に対しても同様。

 恐らく彼等は、魔界での飛影を、そして人間界での妖狐を、知らないと思われる。その上で人間界での飛影と南野を「第1級犯罪」人だと言うのならば、それは霊界の情報としか思えない。霊界に直接挑戦状を送りつけることができるほどだ、彼等は人間界や魔界よりは霊界の情報下に暮らしていたのであろう。ひょっとしたら、とこんな推論まで立てられるほどだ。妖魔街は、霊界が妖怪犯罪水増しのために悪役妖怪を育てていた牧場だったのだ、とも。飛影や蔵馬が手に入ったから、霊界は四聖獣を必要としなくなったのだと。

 「貴様らに協力する気なんか全くないからな!」、「フ」と笑う蔵馬さんを見る幽助が気になります。後半になるともっと顕著に思えるんだが、何を幽助、蔵馬の対象に対する反応をひとつの判断材料にしてるんだ……? 魔性使いチームのときとかさ、天沼のときとかさ、蔵馬の判断をひとつの目安としているのは確かに見える。幽助が飛影の反応には天の邪鬼なところがあるのだと気付いたのはこれのせいもあるだろうと思わないでもない。最後まで1番仲良くならなかった相手なのにな、蔵馬。だからか?

 「その門は大変敏感で頭がいいのです、性格は悪いですが」……今気付いたんだけど、これ蔵馬さんのことじゃ…(死)。蔵馬さんだったらこの門を仕掛けた上で、裏切った奴を始末しそうな勢いですが(うきうき←?;)。

 幽助に任せられた飛影の戸惑いぶりが、かーわーいーいー! ここで飛影さんの心情推察。『何を莫迦な、オレに任せるだと? 蔵馬の能力も知らないくせに、普通に考えればここでオレが裏切ったら自分が死ぬんだぞ、わかってるのか。つぶれ顔の言うことは正しい、なのに何なんだあの莫迦は。くそ、あの笑顔に従うのはほとほと厭だ、ここであいつの期待に応えでもしたら本当に仲間のようじゃないか、協力する気なんか全くないとさっき言ったばかりだぞ、この鳥頭が! オレはそんな甘ちゃんじゃない、だが煩瑣い一ツ目鳥に従うのはもっと気に食わん、蔵馬とやり合うのも御免だ、くそ。貴様等本当にオレをなめるんじゃない、誰にも従ってなどやるものかオレは自由にするぞ!!』←あー楽しかった♪(わたしが)

 飛影さんが天井を止めるまで、柳沢の鍵を取ったように自分の力以外で天井を止めることのできる蔵馬さんの顔が全く出てこなかったことがリアルすぎますわ冨樫さん。「自分に危害を加えようとする者に対する圧倒的な冷徹さ」を良くわかっているものね飛影ちゃん……。蔵馬さんの心情推理は怖いのでパス。きっとここで彼の可愛さを知って揶揄の主たるターゲットを定めたに違いない…(合掌)。「彼流の礼」とかな、青龍と似た行為を示す飛影を知ってるくせに、幽助に飛影を益々信用させるようなことを言っちゃって、そんなに飛影ちゃんが可愛く変わってゆくところを見たいか蔵馬…!(…見たい。)

 幽助さんの心情は……えーと。そういえば飛影ってば「裏切り者め、許さんぞ」とか叫んでたっけ。彼がたとえ仮にでも仲間というものを裏切ることを、協調などではなくプライドとして許せないのは確かに推測できるが、もしかして幽助もそういう部分がある、のかな。あの時点で幽助は飛影が裏切れなどしないことを悟っていたわけだ、彼がひねくれているが故に、そうしてそのひねくれたプライドを恐らくは幽助も抱えるが故に。裏切らないことを強要すればこそ彼は裏切ったかもしれないが、簡単に裏切れる状況を作ってやればやるだけ、あの子は裏切ることができなくなるのだ。信用されなければされない分だけ、信用されればされた分だけ、そういえば幽助はヒトに接してきたんだっけね。それは確かに飛影に似ている。

 こうして見ると如何に桑原さんが人間としてバランス良く鈍いかがわかるな。ヒトは愚鈍ゆえに失わず、愚鈍ゆえに手に入れないのだ。生命の維持機能とは素晴らしい、表面上は非常にゆるやかに変化を続けながらも、総体としては大きく揺らぐことのない、生命という現象が、桑原と幽助を比較すると良く見えてくる。それでいながら雪菜や幽助に惹かれる脆い人間だから桑原好きなんだな、わたし。

 秀一君、君も着替える時間作ってせめて制服で来るのはやめなさい、疵は治せたとしても制服破いて帰ったら志保利さんに気付かれるわよ……。