ルイス・キャロルの知的ゲーム

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  1. 「犯人を推理で追い詰めてみすみす自殺させちまう探偵は……殺人者と変わんねーよ」

  2. あンときのおまえの言葉が、今もオレを支えとる。

  3. 「服部はオレのこと優しいっつったぜ」

    「ああ、それは言うかもなぁ」

    「言うと思った?」

    「西の探偵君は確か、大阪府警本部長の息子さんだったよな」

    「そうだけど」

    「小さい頃から礼儀と作法を叩き込まれて、正義感も強いししっかり自分っつーものの土台を理解してる。根っこが張ってる人間だから、そういうことも言えるだろうよ」

    「? イマイチ」

    「つまりな、優しいのはその服部さんの方だってこった。自分が優しい人間じゃない人間は、そもそも他人のことも優しいだなんて思いたがんねーから」

    「服部がオレを優しい人間だと思いたがってる?」

    「実際におまえが優しい優しくないは関係無くな」

    「それってオレが冷たいって――」

    「言ってない」

    「前には言ったな。じゃあ逆に、おまえはオレを冷たいって思いたがってるってことか?」

    「オレは優しい人間だからなー♪」

    「……は?」

    「ボウズ。アリスのセロリ嫌いの屁理屈って知ってっか?」

    「ルイス・キャロル? 私セロリが嫌いで良かったわ、だって好きだったらセロリを沢山食べなきゃいけないじゃないの、ああ嫌いで良かった。……ってヤツ?」

    「……今度はアリス服にしよう、うん」

    「着ねーよ。で、それとさっきの話の間に何の関連性が?」

    「いや、何だろな? あったようななかったような。おまえのアリス服想像したら忘れちまった♪」

    「…………」

    「まぁ服部君も若いからねー」

    「服部のアリス服姿」

    「……想像しちゃったじゃないのッ」

    「ザマーみ」

    「真っ直ぐに荒削りだから、調教したくなるタイプだよなー、西の探偵君って」

    「……へっ?」

    「おまえがしたようにさ」

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