「『天使の箱庭』?」
「そう、まだ始めたばっかりだけどね。この中で人々が育ってくの。育成ゲームよ」
「神様ごっこね。あ、あたしたちも神様から見たらこんなもんかなぁ、ちっけー存在」
「そうかもね。そしてその神様も、それまた神様から見たら箱庭の中で蠢く小さな存在かもしれない」
「マトリョーシカみたく、何処までも連綿と外に世界が、って? うわー、あたしだったらそんな世界の秘密なんて見たくないなぁ」
「どうして?」
「自分がこんなちっこい作られた存在だなんて思い知りたい?」
「知ったって、わたしが自分の意志で生きてきたことには変わりないわ」
「なーる。あたしだったら、知ったら外に出てこうとするかなぁ……」
「神様に喧嘩売るの?」
「そうそう!」