187局  日本vs韓国(4)

 高永夏が天才少年と呼ばれていたが、ではヒカルはどうなのだろう。

 ふと胸に落ちた疑問。

 その天才少年と対等に戦うヒカル。師匠も持たず、囲碁を始めて高々4年で、世界を相手に戦っている。にも関わらず、人々はヒカルのことを「謎多き人物」と噂するだけで、彼が大々的にアピールされることはない。

 ヒカルより少し前に出てきた天才棋士、アキラにスポットが当てられているためだけではあるまい。それだけにしては、ヒカルの取り上げられなさは不自然なほどである。

 恐らくは、畏れられている

 塔矢アキラの強さは、背景がしっかりしている。誰にでもその強さの理由がわかる。塔矢行洋名人――アキラの父親が、塔矢アキラの強さの源流だと、皆が知れる。

 だがヒカルの強さの故は誰にも見えないのである。本因坊秀策の碁を打っていた平安時代の幽霊、それが師匠だのと、誰に信じられるものか。仮に信じられたとして、如何な優秀な師匠の下で学んだとして、これほど短期間でここまで来られるだのと、そちらのほうが脅威である。

 そしてヒカルは佐為のことを誰にも話さない。佐為は誰にも見えなかった。4年前、確かにヒカルが全く打てなかったことは、白川七段が証明できる。

 ヒカルの4年間が、人々にはまるで見えないのである。ヒカルが何も持たず、ただただ才能だけでのし上がってきたと、それだけが人々の目には映る。

 天才という言葉の枠にも収められないのだ。既存の基準に当て嵌めることもできないモノを、人間は通常どのように扱うか。

 まさに「腫物扱い」。

 つまり触れないのである。そこにないものとするのである。そのようなヒトから懸け離れた能力など認めないのである。

 ヒカルが表立って取り沙汰されないのは、このような理由ではないかと思った。ヒトから見て彼はヒトではないのだ。それほどまでに、ヒカルの成長は脅威である。「人並み外れた」という形容がアキラのためにあるのならば、ヒカルに対する形容は「ヒト外れた」というそれしか残っていない。

 神か、悪魔か、妖怪か。

 アキラの才能には、人々は嫉妬し、バックボーンをただ羨めば済む。だがヒカルの才能をヒトの範疇であると認めたら、生きてゆけぬヒトが出てくるのだ。

 それ故、進藤ヒカルは存在自体を無視される。

 だがそれもいつまで保つであろう。ヒカルの背景もないことを知らぬ人々が彼に注目し始めたら、背景がないことを知る人々はどのような反応を取るのか。

 進藤という名が神童から来ているということは、天童丸の名からも恐らく確実であろう。

 ヒカルが抱え込む才能とすら呼べぬ秘密は、佐為のせいではなく、ただ佐為を切っ掛けとして、世に放たれる。佐為を殺し、ヒカル自身をも殺しながら。

 アキラがヒカルを見付けていて本当に良かった。アキラは決してヒカルの才能を、佐為の存在を、そしてヒカルの存在を、なかったことになどしはしない。できない。

 自分が生きるためにアキラはヒカルの存在を掴み続け、それでヒカルは生きられるような気がした。

 ……とか色々書いといて思ったが、皆は進藤に師匠が居ないこととかたった4年しか碁やってないこととか、知ってるのか???(おいコラ)

 ということで(繋がってません)。

 永夏さんを追い詰めてるヒカルがもうもうもう! 格好良くて!!

 永夏さんに冷や汗掻かせてるよヒカル! 永夏さんの体臭は薔薇臭いかもしれないから気を付けてね!(は?)

 アキラさんは塔矢パパの予想通り勝ち(大笑)。ヒカルさんが勝つと信じてるから?! ホントにそうなんですかそこんトコはっきりさせてくださいギャー!(落ち着け)

 社君がまたもや出てこないまま負けで終わりそうですね……彼の役割はこれから先ってことでしょうか。何の意味もなくほった先生が新キャラ出すはずないもんなぁというのは信じすぎ?(笑)

 楊海さんはズバっとパパにsaiのこと訊きに行きましたね。わー、でもsai狙いってよりパパ狙いに見えるのは何でですか?!(日月サンの頭が腐ってるからDEATH)

 ということでまた次週〜(続くと良いな…)。