FF8の謎

  1. SeeD試験は年何回?
  2. FF8世界の成人年齢は?
  3. アーヴァインの合流は偶然か?
  4. 魔女討伐に向かったSeeDは何処に消えた?
  5. 13年前のイデアは魔女だったか?
  6. 魔女の力はハインを超えるか?
  7. ジャンクションマシン・エルオーネの機能は?
  8. G.F.の真の恐ろしさとは?
  9. 時間圧縮開始地点にアデルが選ばれた理由は?
  10. 多重ジャンクションについて
  11. 猫が256匹って何のこと?

SeeD試験は年何回?

 結論から言うとSeeD試験は春期に何回か行われる。

 学習パネルによると

慰霊祭
入学式
SeeD試験(筆記/実地)
ガーデン祭
夏期休暇
生徒主催行事・学園祭
進路相談

とのことだが、問題はこのSeeD試験が果して1回だけのか、というところにある。

 仮に1回だけだとすると、

4人×11年で、計44人。SeeDは15〜20歳なので、44人のうち現在もSeeDとして活躍できるのは20人程度。

 ところが、学園紛争時に、学園長が大半のSeeDをSeeDの本当の戦い(対イデア)として駆り出していたのにも関わらず、学園内にも結構な数のSeeD(確認できただけで13人)が残っている。これは不自然だ。

 尤も、そんなことを考えなくても、食堂のボヤキ三人組と会話を交わしていれば、SeeD試験が年一回ではないことはすぐにわかる。

「今日はSeeDの実地試験か……」

「俺、この間ダメだったんだよなぁ……。緊張しちゃってさぁ」

「おまえ、実地いったんならいいじゃねえか! 俺なんて筆記すら通らないんだぜ!」

 スコールのSeeD試験時にこんなことを言っていた彼等は、Disk3に至っても

「でも……やっぱり、SeeDにはなれないんだよなぁ……」

と言っているが、これが白いSeeD船で目標をエスタに定める時期になってからは

「SeeD服かぁ……。なんだか信じられないな」

「ああ、これがあの憧れの服だぜ」

と言っている。つまり、スコールのSeeD実地試験ののちに、SeeD実地試験があったということだ。SeeD試験は、最低でも春に2回以上は行われているのだ。

 ところで、彼等がSeeD試験に合格した時期は、既にシド学園長は学校を去って石の家に帰っている。あの紛争の最中、それでも試験を執り行ったマスター派の教師達が、わたしは意外と好きだったりする。経済観念についてはわたしは非シド派。

FF8世界の成人年齢は?

 FF8の中で、年齢を突き詰めて考えると奇妙に感じる人物は何人か居るが、その中で森のフクロウのワッツとゾーンの年齢が、最もわかりやすくわかりにくい。

 ゼルのティンバー情報によると

ティンバーは森林に囲まれた国だった。ところが18年前、ガルバディアが攻め込んできたんだな、うん。

とのことであり、また森のフクロウのメンバの台詞も以下である。

この『森のフクロウ』を作ったのは、ワッツとゾーンの親父さん、2人なんだ。

18年前……ティンバー制圧の前日に、最後の激しいレジスタンス狩りがあった。親父さんら2人は、街のみんなを守るために自ら進んで……盾になって死んでいった。見せしめと言って……ガルバディア兵たちは2人に向かって、銃を乱射したんだ……。

親父さんが虫けらみたいに死んでいくのを他の奴らは、みんな目を背けてた……。けど、ワッツとゾーンは見てた……。ずっと、見てたんだ……。

そんな2人をボロぞうきんを見るみたいな目で見下してやがったのが……デリングだ。大統領になったばかりで、自分の力を見せつけるためだけに……。兵士の銃を取り上げ、親父さんらの屍に必要もないトドメをさした……。

その日に、2人は『森のフクロウ』の後を継ぐことを決めたって言ってた。

 これらは『月刊暗黒政治経済』の

デリング大統領は、若くして
第二次魔女戦争終結後に大統領に就任

早急に国民の支持を得るための手段として
『ティンバー制圧』を計画し実行にうつした

にも合致する。

 つまり、ワッツとゾーンは18年前のティンバー制圧の時点で、既に物心つく年頃だったということだ。物心のつく年齢は一般的には3〜4歳とされるので、現在ワッツとゾーンは20歳程度以上かと仮定できる。

 しかし『ファイナルファンタジーVIIIアルティマニア』によると、恐らくワッツより年長者であろうリーダのゾーンでさえも未成年とのことなのである。

えっちい写真を好み、未成年ながら「となりのカノジョ」という雑誌を愛読している。

 ならば、この矛盾を解消するために立てられる仮定は二つである。

  1. 強烈な記憶だったため、1〜2歳程度でもしっかり記憶していた。
  2. 成人年齢が20歳ではなく、もう少し上。

 さて、1.であったならば何も論じることはないが(そんな年齢で将来を決められる不自然さはさておき)、実は2.の可能性も捨てきれないのである。

 スコールは、復興後のドールを訪れた際、パブでこんなことを言われる。

いらっしゃいませ。こちらはシルキス酒、メミット酒といろいろ取りそろえて……。なんだ……、子供は、あんまりウロウロしないでくれよ。

 この世界の成人年齢=酒を呑める年齢が20歳なのだとしたら、17歳の(しかも童顔ではない)私服のスコールを、外見を見ただけですぐさま「子供」として断じるのは不自然である。

 また同様にセルフィも、ミサイル基地に私服で訪れるとこのように言われる。

こらこら! ここは子供の来るところじゃない!

 更にワッツ自身が、白いSeeD船にてこう言っている。

イデアって人がいなくなってから、この船には、大人が乗ってないみたいッス。オレたちと同じぐらいの年の子か、うんと小さい子ばっかりッス。

 つまり、オレたちと同じぐらいの年の子であっても大人ではない=スコールより年上の自分達ぐらいの年齢でも大人ではない、と言っているのである。

 即ち、あの世界に於いては17歳は一見しただけでわかるほど子供の設定なのだと知れるのだ。

 よって2.の可能性が高いのだろう。とすれば、ワッツとゾーンが18年前に物心のつく年であり、現在でも未成年なことに不自然はない。

 スコールは今の自分に対して

……たしかに、子供の頃は自分1人でなんて無理だったさ。いろんな人に頼ってきたけど……。

それは認めてもいい。いろんな人がいたから、今の俺がいる。

今は1人で大丈夫。生きていく手段も身につけている。もう子供じゃないから、なんでも知ってる……。

と言っているが、これはスコールの単なる強がりであり、「何もできなかった子供の自分」に対応する「大人の自分」であろう。この言葉も、すぐあとに自分でウソだ。俺はなにも知らなくて混乱してると、自ら反駁しているのである。

 スコールが未だなにも知らなくて混乱してる子供であるように、スコール達よりも年上の20歳近い、或いはそれ以上であるワッツやゾーンであっても、あの世界では未だ未成年なのであろう。

おや、見かけない坊やたちだわね。

こんな田舎に何のご用でしょう?

ふふふ……ぼうやたちには難しかったかしら?

 我々の世界では、徴兵年齢はおよそ18〜20歳が下限であり、これは成人年齢と関係する。18年前のラグナ達が23〜27歳だったことを考えると、FF8の世界での成人年齢はおよそ25歳程度と見て良いだろうか。

アーヴァインの合流は偶然か?

 否。アーヴァインの合流は偶然でない。シドないしエルオーネによって組まれたシナリオの一部である。

 ノーグによると、ガルバディア・ガーデンに寄校した際に命じられた魔女暗殺は、ノーグの指示によるものであり、かつスコール達のサポートはガルバディア・ガーデン・マスタのドドンナの独断とのことである。

事務員1「そこでノーグ様は、ガルバディア・ガーデンに伝令を送った。今のうちに魔女を倒してしまえ、とな。方法は暗殺がベストだと思われたが、しかし……」

ノーグ「ブジュルルル! こざかしい・ドドンナは・いざというときのために・おまえたち・暗殺に・利用したのだ。わじの指示で・やったと・言い逃れる・ために。こざかしい・こざかしいヤツめ」

スコール「あの命令とバラム・ガーデンは関係ない。……そういうことですか?」

事務員1「作戦実行を前に、たまたま現れたおまえたちが利用された。しかし作戦は失敗。魔女は生きている。そして……」

 だがこれは正しくない。何しろ、シド学園長の命令書を持ってきたのがサイファー派の風神と雷神であり、且つ同時期にシドは世界に向けてSeeDを本当の戦いに出兵させているからである。

何してるっておまえ、伝令だもんよ。

おまえらにシド学園長から、新しい命令持ってきたんだかんな。

ここ最近、バラムガーデンのSeeDが次々と魔女討伐に送られてきてる。

ほとんどのSeeDは学園長が『SeeDの本当の戦い』だかに出してしまったんだ。

シドのアホが・SeeDを魔女討伐に・送り出した。

 ドドンナにとっても渡りに船であったろう。この点に於いては、恐らくノーグの言い分も間違ってはいない。ドドンナがスコール達を利用しようとしたことは確かであろう、が、それだけでは決してない。シドもまた、スコール達にアーヴァインを引き合わせるため、ドドンナを利用しようとしたことが推測される。

 何故か。シドの命令書が本当に魔女暗殺だったのか、そして暗殺方法は狙撃だったのか(アーヴァインを合流させる目的だったのか)、しかしそれはこれだけでは不明である。影からの妻暗殺も狙撃も、シドの指示ではなくドドンナの独断と考えることも不自然ではない。つまり、これだけならば、アーヴァインの合流は偶然であったと片付けることも、できなくはない。

 しかしそれは、シドとドドンナだけを見た場合の話だ。ここにエルオーネを加えると答えが自ずと見えてくる

 アーヴァインと合流し、デリングシティに移動したその日に、スコール達は暗殺を行っている。そしてD地区収容所に移送され、アーヴァインが(リノアに引っ掻かれて)助けにきた。この間、せいぜい行って1週間。この後、スコール達がバラム・ガーデンに戻るまでに、また数日。

 この間、アーヴァインにシドに関係する何かはあったか。

 あった。エルオーネによってアーヴァインはキロスに送り込まれているのである。

 これはけだしアーヴァインがスコール達の仲間になったことを知らなければ、エルオーネはやらない。スコール、ゼル、セルフィがSeeDになってから、何故か始まった「接続」である。ずっと以前にSeeDになっていたキスティスが、スコール達と合流したあとになってやっと何故か送り込まれた過去である。そして同じ家で育ちながらも、何故かサイファーはただの一度も送り込まれなかった過去である。

 アーヴァインも、スコール達の仲間となったからこそ、やっと何故か「接続」されるようになったと考えるほうが自然である。

 ならば、いつそれを知った? あの暗殺時の混乱の最中、偶々カメラを回している報道陣が居て、偶々オンラインでイデアvsスコール達の場面が流れて、それを偶々エルオーネが見て、12年以上も会っておらず3〜5歳程度からいきなり17歳として現れたアーヴァインを、偶々幼馴染みだと憶い出し、偶々その彼を過去に送ろうと思った、とでも?

 これは可能性が低い。何しろカーウェイの命で、アーヴァインによってリノアは救出されているからである。世界にオンラインでリノアと魔女が対決したことが流れたとしてしまっては、既にあの時点で窓際に追いやられていたカーウェイが(たとえ権力を持ったままだったとしても)、SeeDに与した娘と自分を、守ることなどはできはすまいと考えたと思われるからである(仮に考えたとしても、或いはアーヴァインの独断であっても、あんな正式に引き取りには行かせないだろう)。

 つまり、そんな不自然な無理矢理に頼るよりは、こう考えたほうが自然だ。魔女対SeeDの場面はどの国にも流れず、単にエルオーネはシドに、アーヴァインがスコール達に合流することを聞いて知っていたのだ、と。或いはエルオーネが、アーヴァインを合流させることをシドに頼んだ、でも良いが。

 つまり、シドは予めスコール達に合流させる目的で、わざわざティンバーに居ると思っていたスコール達に、魔女暗殺の依頼をしてきたと思ったほうが良い。

 そしてまた、イデアがまま先生だと知っていた、そしてスコール達が幼馴染みだとわかっていた、アーヴァインがスコール達に会って真っ先に言ったことは何故か

アーヴァイン「BANG! バラムのイナカ者諸君、よろしく」

スコール「(ゼル……いちいち反応するなよな)」

アーヴァイン「僕のサポート、大丈夫か?」

スコール「それはあんたの態度次第だ」

アーヴァイン「あ、僕の言うことって、人の反感買うことが多いんだよね。まあ、あ、あんまり気にしないでよ。それが僕と上手に付き合うコツさ」

である。

 この時点で、

 なのに、これである。同じ孤児だと知っているはずの相手に何故かイナカ者諸君と挨拶し、自分を知っているはずの幼馴染み達に何故か自分の性格を紹介しているのである。

 これはアーヴァインが、あらかじめスコール達の現状――記憶障害までをも誰かに知らされていなければ、吐ける台詞ではあるまい。

魔女討伐に向かったSeeDは何処に消えた?

 スコール達が魔女暗殺に失敗し、D地区収容所に幽閉されていた間、シドはSeeD達を魔女イデアの討伐に向けて出立させていた。

ここ最近、バラムガーデンのSeeDが次々と魔女討伐に送られてきてる。

ほとんどのSeeDは学園長が『SeeDの本当の戦い』だかに出してしまったんだ。

シドのアホが・SeeDを魔女討伐に・送り出した。

 この直後、バラム・ガーデンはミサイルから逃れるため飛翔し、大海原を漂流することとなった。彼等は魔女討伐に駆り出された精鋭ながらも、その後スコール達の戦いに参加した形跡はない。彼等はどうしたのだろうか。

 F.H.に辿り着いて操縦機能を得てのち、ガルバディアに寄ってSeeD達を回収した、ということだったら良いのだが、実際にはイデア(アルティミシア)に殺されてしまったらしい。

魔女にかかったらSeeDといえども虫けらのようにひねりつぶされてしまう。よかったなぁ、敵じゃなくて

 アルティミシア城の城下に倒れた白いSeeD達のように、イデア(アルティミシア)に潰されてしまったのか。

 それとも兵士の言う虫けらのようにひねりつぶされてしまったSeeDとはスコール達のことで、その時期には既に本拠地をデリングシティからガルバディア・ガーデンに移していたイデアを追って、ガルバディア・ガーデンに幽閉でもされていたところを、対ガルバディア・ガーデン戦で回収できた、ということだったら良いのだが。

 もし違うのだとしたら、否、たとえ生きていたとしても、シドは責められて然るべきである。シドは魔女を倒せるのはスコールしか居ないことを知っていた。にも関わらず、他のSeeDでは倒される過去を承知で、彼等をイデア討伐に遣わしたのである。

 それとも、このときはまだシドも信じていたのだろうか、過去は変えられるかもしれない、と。だからスコールがイデアに殺されたかのように見えたから、スコールがアルティミシアを倒した「過去」は変わってしまったと思い、仕方無く他のSeeDを遣ったのだろうか。

13年前のイデアは魔女だったか?

 イデアは自分が魔女になった際の話を、このようにしている。

あれは……そう、13年ほど前でしょうか。私の物語が始まりました。

私は……子供のころに魔女になりました。そして13年前、もう一度魔女になりました。

 実に微妙な言葉である。果たして

 結論から言えばイデアは魔女のままアルティミシアの力を受け継いだ。

 イデアが13年前の自分の状態を語っているシーンは、もうひとつ、エンディングである。

魔女は魔女の力を持ったまま死ねません。私も……魔女だからわかります。

 魔女「だったから」ではなく、魔女「だから」という台詞からも窺えるが、不安な方のために、同部分の英語版からの引用で時制を見てみる。

In order to die in peace, a sorceress must be free of all her powers. I know...for I am one, too.

 一目瞭然である。彼女は13年前、現在進行形で魔女だったのである。

私は、その魔女の力を自分の意志で、受け継ぎました。

私がその魔女の力を引き受けましょう。

 このことと、そしてリノアがアデルの力を、(オダインの研究成果に基づいて)ラグナに頼まれ、実際に継承したことから、少なくとも魔女は、相手の意志ではなく自分の意志で、死にゆく魔女の力を継承して回り、ハインの力を集めることができるということも窺えるのが、恐ろしいところ。

 つまり、アルティミシアは、その気になれば時間圧縮など必要とせず、すべての魔女の力を手にできた(或いは手にしていた)可能性が高いのである。

魔女の力はハインを超えるか?

 アルティミシアの正体に関係なく、アルティミシアが過去のイデアに魔女の力を継承したということは、単純に考えれば以下のような矛盾が生じる。

 ■を「ハインの力」とする。するとハインの力は、過去への継承によって、無限に増大してゆくのである。

 これは、たとえアルティミシアの力が、リノア→アルティミシアの継承の過程で拡散してしまって、アルティミシアが一人分の力しか持たないという仮定を用いたとしても、根本的な矛盾の解決にはならない。

 一見巧く収まっているように見える。しかしこれでは、アルティミシアに継承されるはずだったリノアの力が「世界の何処かへ」拡散してしまっただけで、世界に満ちるハインの力の総和量は無限に増大してゆくことに変わりはないのである。

 つまりこのままでは、どう足掻いても過去が変わってしまう。そして何より、世界に満ちる魔女の力の総和が、元々のハインの力の総和を凌ぐ可能性があるということが問題なのである。創造神の力を凌ぐ力を、創造物に過ぎない人間が手に入れる、ということになってしまう。

 以下、矛盾を解消するための、仮定という名の妄想。これに関しては答え「らしきもの」さえ一生出ないだろう。

仮定1:ハインの力の総和は増減しない
 世界に満ちるハインの力の総量を、「同時間という器」に納められた、無限に湧き上がる水のような性質のものとして考える。器から零れ出た水は既にして別次元の神の領域に在るので、タイムパラドックスなど考える必要はない。
 これならば、どんなに器の外から想定外な力が注がれたとしても、この世界に於いては力の増減は起こらない。この「減少しない」というほうの根拠としては現在、魔女が何人いるのかは分かっていない。これは魔女が名乗り出ることが少ないためであり、正確な把握は難しい。しかし、力の拡散は避けていると推測される。というのがあり、力は分割継承して拡散したとしても消滅するわけではない、というもの。尤もこの説が増大傾向にも適用できるかどうかは不明。これだとアルティミシアが過去に継承した未来に於いて、また新たに魔女は生まれる、ないし力はハインに戻る。
変化系:溢れた力の緩衝空間としての抜け殻のハイン
 何も「器の外」を世界の外に考えなくても、FF8の世界には、元々のハインの力が納められていた「虚ろなる器」が「世界という器の内部にして外」として存在する。「抜け殻のハイン」である。
 「彼」が今でもハインの力の器たり得るのならば、「世界のフェイルセイフ」としての機能を十分に果たす。ひょっとしたら(無から有となる、即ち永遠に有でしかない創造神に過去が存在するならば)「ハインの過去」は変わるかもしれないが、「世界の過去」は変わらず、タイムパラドックスは生じない。
仮定2:ハインの力は増減するようなタイプの力ではない
 人間に渡されたハインの力とは、人間向けに開かれたpublicな関数に過ぎず、魔女の継承とはそれにアクセスする権限のカスケードに過ぎない。メソッドの実行は、即ち魔女の力そのものではないので、継承の重ね掛けによってメソッドの実行力(魔法力)が増大するわけではない。つまり■が一つの魔女は、何度継承を行われても■一つのまま。未来に継承されようが過去に継承されようが、リソースたるハインの力はその世界に一定のまま。
 しかしこの説だと、力の拡散は避けているを説明するのに少々難儀する。オブジェクトの数によってリソースが食われることを拡散と呼ぶ、という説明でも良いが(そんなにリソース少ないのかよとツッコミたいが)、しかしこれだと時間圧縮ですべての魔女の力を取り込み強大な力を得る、というのは恐らく不可能。
しかしこの説だと、G.F.によるジャンクションシステムを説明しやすいのも確か。
仮定3:ハインの力は時間の流れの制約を受けない
 1.のように同時間ではなく、「すべての時間と空間」をハインの力の器と考える。神道のカミの概念のように「いつの時代のどの場所にも同時に等しく存在している力」と考えれば、過去への継承は何の問題にもなり得はしない。
 魔女の力が空間の制約を受けていないかのように振る舞ったように、ハインの力は空間のみならず時間の制約も受けず、一定方向への支配を受けないとするのである。人間にとっては「過去のハインの力の量が変わった」かもしれないが、すべての時間に存在するハインの力の総和にとっては何ら変化はない。ハインの力は過去に増大し続けるが、そもそもそれが矛盾となりようもない概念だった場合の話。ハインには過去も未来も存在しなかった場合の話。

 ……いずれにしろ「ハインがその力を人間に与えた」などというのは臍で茶を沸かすような話になってしまうような。

ジャンクションマシン・エルオーネの機能は?

 ジャンクションマシン・エルオーネはその名が示すとおり、エルオーネの能力をそのまま模して制作されたものである。

オダインは昔、エルオーネの不思議を研究したでおじゃるよ。エルオーネの脳を流れる微電流を解析して、それをパターン化したのでおじゃるな。

つまり、エルオーネの不思議と同じ働きをする機械が未来にあるのでおじゃる。その機械の基礎を作ったのが、このオダインでおじゃる。

実はオダインは、その機械に『ジャンクション・マシーン・エルオーネ』と、名前をつけていたのでおじゃるよ!

 エルオーネの能力は纏めると

である。

でも、できない。私、リノアを知らないもの。知ってる人に知ってる人を送り込むことしかできないって言ったでしょ?

 つまり正確には、エルオーネ(能力者)が過去に行くためには、二段構えのジャンクションが必要であることがわかる。

  1. エルオーネは現在のスコールにジャンクションし、
  2. エルオーネのジャンクションした現在のスコールがラグナにジャンクションすると、
  3. ジャンクションは初めて現在限定ではなく過去にも可能になり、スコールは過去にジャンクションし、
  4. エルオーネは過去のラグナを観ることができる。

 また、実際に過去の人物(人物C)にジャンクションしているのはエルオーネ(人物A)ではなく、送り込まれる現在の人間(人物B)であることに注意。エルオーネは過去にジャンクションしている人間の精神の片隅で、その人間の妖精さんとして過去を垣間見ているのである。

 だから厳密に物言うならば、エルオーネの能力は過去にジャンクションする能力ではなく、過去にジャンクションする能力を自らのジャンクションによって他人に与える能力である。

あんたが『あっちの世界』に俺たちを連れていくのか!?

ごめんね、スコール。あと少しだけ心を貸して。

あなたたちは私の目になってくれた。

 これをアルティミシアとジャンクションマシン・エルオーネに当て嵌めると、

となる。

 こうすれば、実際にイデア(人物C)にジャンクションしているのはジャンクションマシン・エルオーネ(人物A)ではなくアルティミシア(人物B)であるという状況が作り出せる。

 しかしここで若干問題が出る。主体としてのジャンクションマシン・エルオーネは機械であるということだ。

 人間の記憶は良く流れゆく水に喩えられる。形定まらないままに「今」という一瞬を通り過ぎていって、「今」という「私」にはそれを留めておくことができない。それはハード的な仕様だ。実際には何処かのメモリ上に残っていたとしても、検索システムの関係上、引き出せる記憶はあくまでも「現在」に基づいて再構成された歪んだ断片に過ぎない(稀にそうでないシステムを持った人間も存在する)。比して機械の記憶は積もりゆく雪に喩えられる。何処までも薄れることなく溜まってゆく澱のような情報、瞬時にすべてが引き出せ、すべての情報が劣化することもない完璧な過去。それはその情報を引き出す主体が同様の存在である場合、その存在にとっては記憶上の過去は存在しないことになる。過去と現在の情報が等価にクリアであるということは、現在と過去の記憶が現在から等距離に存在するということだ。

 さて、ではそんな機械の知悉とは何を指す?

 主体であるジャンクションマシン・エルオーネが知悉している人物にしか使用者を接続できない、のだとしたら、正確にはジャンクションマシン・エルオーネで移動できる範囲などエルオーネ4〜5歳の時点から、過去に4〜5年ないし80年程度になってしまうのである。

 エルオーネの脳波がサンプリングされた=ジャンクションマシン・エルオーネ成立年代が、彼女が誘拐された4〜5歳。つまりジャンクションマシン・エルオーネの知悉している範囲は、物心ついてから彼女がその時点までに記憶しているであろう2〜3年、その間に出会った人達だけになってしまい、時間跳躍の範囲もその人達の人生の間のみ(或いはエルオーネ自身が生きている時間にしかジャンクションできないのだとしたら4〜5年のみ)になってしまう。

 つまり、それではイデアには接続できない。サンプリングの時点で、(ラグナはイデアを知っていても)エルオーネはまだイデアを知らない。

 つまり現実にアルティミシアがイデアに接続したことを考えると、ジャンクションマシン・エルオーネの有しているデータとは、エルオーネの脳が記憶していたデータだけではないのである。機械にとって「知悉する」こととは、「外部からのデータ入力を受け付ける」ことに他ならない。機械は能動的にデータを取り込んだりはしない(本当はドルメンやウルフラマイターを見ると自律機械も可能だとは思うが、話が複雑になるのでここでは割愛)。

 しかし実際アルティミシアはイデアにジャンクションした。これを説明するためには、思い付く限りで

  1. エンディング後のイデア達を知悉しているエルオーネから再び脳波をサンプリングし、ジャンクションマシン・エルオーネに移植した。
  2. エルオーネのサンプリング以降も魔女達のデータを擬似記憶としてインプットし続け、メンテナンスを行っていた人物が居る。
  3. 知ってる人に知ってる人を送り込むことしかできないという言葉は嘘で、本当は知らない時代の知らない人にも送り込めるのが能力的仕様だった。
  4. 使用者が知悉している人間のデータを機械に入力できる。つまり条件が「人物Bと人物Cを、共に人物Bが知悉していなければならない」と変わる。

のいずれかが真でなければならないだろう(仮に上述のようにジャンクションマシン・エルオーネが魔法によって自律機械にされたのだとしても、どちらにしろ人の手が入ることに変わりはない)。

 一応説明しておくと、

  1. 1.だった場合、エルオーネ(とラグナとシド夫妻)は、極積極的にアルティミシアが現在に来る歴史を作ることに従事していたことになる。そして何故、なのにアルティミシアは直接アデルに接続できなかったのか。
  2. 2.だった場合、それは果して誰なのか、そして何故敢えてアデルの情報入力は避けたのか。
  3. 3.だった場合、何故エルオーネは嘘を吐いたのか。そしてまた、何故アルティミシアは更に過去には行けなかったのか。
  4. 4.だった場合、未来の魔女が何故現在のイデア達を知悉していたことになるのか。そしてまた、やはり何故更に過去には行けなかったのか。

ということになり、いずれにしろ疑問は残るため、結局ジャンクションマシン・エルオーネには人為的に跳躍時間範囲の制限が掛けられているだろうことが推測されるのである。

 補足しておくと、これはジャンクションマシン・エルオーネの成立年代までしか跳べなかった、ということでは決してない。ジャンクションマシン・エルオーネの成立年代は、オダインがエルオーネを研究していた時期もさることながら、オダインは昔、エルオーネの不思議を研究したでおじゃるよ。エルオーネの脳を流れる微電流を解析して、それをパターン化したのでおじゃるな。の言葉をそのまま受け止めると「今より昔」なのである。恐らくエルオーネを手中にしていた頃だろう。また、イデアにアルティミシアが顕現し始めたのはそれよりずっと後、ゲーム開始少し前である。仮に何年も前から現れていたのだとすれば、エルオーネはもっと昔からバラム・ガーデンに移っていなければおかしい。よって跳躍の仕様は機械の成立とは別のところにある。

 これは別の観点から見ても推測が付く。未来という過去を知っていたはずのイデアの作ったガーデンの規則だ。

 SeeDという称号を名乗れる期間の短さが問題なのである。SeeDで居られる期間は最長で15歳〜19歳の5年間。

SeeDの資格
15歳以上の生徒に試験参加資格が与えられる。
筆記試験、実技試験に合格した者がSeeDになることができる。
SeeDはランクに応じてガーデンから給与が支払われる。
卒業
  • 1. 15歳から19歳の間であること。
  • 1. ガーデン出身者として求められる知識、技術を習得している者。
  • 以上の条件を満たし、かつ学園長が認めた場合のみ卒業とする。
  • 学園長の卒業許可が下りずに20歳の誕生日を迎えた者は放校とする。
卒業後の進路
  • 本ガーデンは、希望者には各国軍隊への入隊をあっせんする。
  • 教員資格取得者、およびSeeDはガーデンに残ることを許可する。ただし、SeeDの資格は20歳までの期間とする。

 これの何が問題なのか。エンディングで、スコールはイデアに「SeeD」と名乗った。

イデア「あなたは私をママ先生と呼んだ。あなたは……誰?」

スコール「SeeD。バラムガーデンのSeeD」

イデア「SeeD? ガーデン?」

スコール「ガーデンもSeeDもママ先生が考えた。ガーデンはSeeDを育てる。SeeDは魔女を倒す」

イデア「あなた、何を言ってるの? あなたは……あの子の未来ね?」

 これにより、イデアはスコールがバラムにあるガーデンのSeeDとやらである期間に銀髪の魔女を倒すことを知ったということになる。このために、クレイマー夫妻はガーデン生(スコール)が自分の意志で中退できない制度まで設けている(学園長が認めた場合のみ卒業とする)。

 ならばクレイマー夫妻は、アルティミシア討伐の成功率を上げるために、スコールがSeeDである期間は、なるべく長く設定しておいたほうが賢明だ。13年前に直接見たとはいえ、外見から窺える年齢など、実年齢と差異がある場合が多いのだから。

 なのにたった五年の設定。しかも、エルオーネがバラム・ガーデンに来た時期を見ても、イデアがアルティミシアとして目覚めたタイミングはスコールがSeeDになる少し前である。これで、イデアがアルティミシアの来る期間を知らなかったというほうが無理がある。

 ならばこう考えれば良い。

のだと。否、本来はアルティミシアの来る時期を知っている必要さえない。未来に於いて過去のその時点にしか来られないよう定めてしまえば良いだけの話である。

 過去は変えられない。しかしアルティミシアがジャンクションマシン・エルオーネを用いるのは未来だ。その未来を変えることで、この場合過去は変わる。イデアはスコールの成長に合わせて過去を変えられる立場に居た。

 アルティミシアがその時期にしか来られないようにするのは至って簡単だ。イデアはこれからオダインに会うのである。ジャンクションマシン・エルオーネを作ったのはオダインである。スコールのSeeD合格の時期は既にわかっているのだから、その時期に定めてジャンクションマシン・エルオーネを改良不可能なほどに仕様変更してもらえば、アルティミシアがそれを用いて来る未来は過去の確定事項にできる

 結局どう足掻いても、アルティミシアが用いたジャンクションマシン・エルオーネの機能は、オリジナルエルオーネの能力そのままではあり得ないのだ。あの時期にのみジャンクションできる仕様になるよう手が加えられていないとこのような結果にはならないのである。

 何故アデルにジャンクションできなかったのか、ではなく、ジャンクションさせられなかった、のである。アデルが活動していた時期に送っては、まだスコールは生まれてもいないから、以外に理由はなかろう。つまり、ジャンクションマシン・エルオーネの機能とは、過去のために未来に向けて現在の人間達が仕様を定めた出来レースのための道具としての価値しか持たないものであった。改良に改良を重ねるのは、エンディング後、たった今からでもできるのだ。

 想像するに、既にアルティミシア城の位置を知ったスコール達に報告されるあの場所で、改造したり利用したりする人間が訪れる機会もほぼないあのイデアの遺跡で、イデア達の期待する機能に完成したときのままジャンクションマシン・エルオーネは眠り続け、いずれアルティミシアに発見されるのを待つのみなのだ。

G.F.の真の恐ろしさとは?

 スコール達は、G.F.をジャンクションしていないと、何とアイテムさえ使用できない。何とも間抜けな話である。これは何故なのか。

 また同様に、普段武器を身に付けている様子もない。にも関わらず、何かあるとスコールは、何もない腰の辺りの空間からガンブレードを取り出すのである。何とも不気味だ。まだライオンハートならライトセイバーのように伸び縮みするものだと考えられそうだが、リボルバーなんてどう考えても無理。絶対無理。死んでも無理。何処に隠してるんだあんなもの。

 ということで、武器もアイテムと同様と考えたらどうだろう。アイテムもあんな大量に持ち歩けるわけがない、荷物持ちになるような大男も今回(スコールサイドでは)パーティメンバには居ない、ならばG.F.

 アイテムも武器も、普段はG.F.に持たせているのである。無論異次元だか虚数空間だかのドラえもんのポケットである。武器だけは持ち手の部分があるので使用者の意志で自由に出し入れできるが、アイテムとなると完全にポケットの中の何処かに整理されないまま放り込まれているので、G.F.の手助けなしには使用もできないのであ〜る!

 ということでG.F.の真の恐ろしさとは、それに頼り切りで荷物を持つ腕力がなくなるだとか、使用し続けるとのび太君な性格になっちゃうだとか、誤ってポケットに本人が落ちちゃって戻れない危険性だとか、そんなところでどうだろう。

 ……御免なさい。

時間圧縮開始地点にアデルが選ばれた理由は?

 アルティミシアに時間圧縮を行わせて未来の魔女を直接討伐しようとする作戦に際して、強制ジャンクション能力を有するエルオーネは、リノアにジャンクションしたアルティミシアを、イデアではなくアデルに接続させた。これは何故か。

アルティミシアが来たら、エルオーネの出番でおじゃる。エルオーネはリノアをアルティミシアごと過去に送り込むでおじゃる。エルオーネは自分の知っている魔女に、リノア・アルティミシアを送り込むことになるでおじゃるな。それはイデアかアデルか……。まあエルオーネにまかせるしかないでおじゃる。

 この言葉から、二つのことがわかる。

  1. 第一線の魔女研究に於ける理論上では、時間圧縮はイデアにしろアデルにしろ可能。
  2. エルオーネはイデアだけでなくアデルも直接知っていることをオダインが知っている。

 エルオーネが『愛と友情、勇気の大作戦』を聞いたのは、けだしルナティック・パンドラで救出されたのちである。作戦発案はアデルが月の涙に巻き込まれて地上に落ちることが決定してからののちでしかあり得ないので、その後、オダイン、ラグナ両名とエルオーネが接触できた時間がないからである。

 つまりこの作戦は、あくまでもラグナとオダインで検討された内容だということだ。その上で、魔女研究の第一人者であるオダインが、イデアにしろアデルにしろ、どちらの魔女にしろという提案はエルオーネに対しては必要ない、と言っているも同様なのである。即ち理論上は、少なくともアデルとイデアの間では時間圧縮発動は限定されない、ということだ。

 その上で、エルオーネは時間圧縮の場に、イデアではなくアデルを選んだ。その理由としては、エルオーネの心情としてはまま先生の身体をそんなことに使われたくないというのもあったかもしれないし、アデルの方をより良く知っていたからという裏事情があったからかもしれない。

 しかしそんな理由は、本当はどうでも良いのだ。何しろFF8の世界では、観察された事象の限定下に於いてエルオーネの言を真とするならば、過去は変えられない

 即ち、エルオーネがアルティミシアをアデルに送る未来よりも先に、アデルにアルティミシアが入り込んで時間圧縮を始めた、その過去が先に存在するのである。この過去は変えられない

 未来のはずの事象が過去になり、過去が変えられない以上、未来を覆すことは過去を覆すことと同義になり、不可能となるのである。だからたとえエルオーネが接続先をイデアにしたとしても、それは失敗し、結果アデルにアルティミシアが送り込まれる過去が過去の通りに過去となる。その過去しか存在しない。もはやアルティミシアを送る先は、未来でありながらも未来ではあり得ない事象だったのだから。もはや心情的な理由など意味はなくなる。

 或いは理論上時間圧縮がどちらかの魔女に限定されていたとしてもエルオーネの選択に任せるはずである、何しろいずれにしろ過去は変わらず、時間圧縮が成され、そして解除されることは、時間圧縮の場より未来に生きているラグナ達にとって過去に決定しているのだから。

 もう少し補足するならば、送り込めるだけのアデルの情報をエルオーネが有していた、即ち幼い頃にアデルとの接触の多かったエルオーネは、しかも能力の研究を目的としてアデルと接触していたエルオーネは、アデルのそのような過去を知っていた可能性もある。だとすればいずれにしろ、エルオーネがアルティミシアの接続先として選ぶ魔女は、アデルしかあり得ないのである。

多重ジャンクションについて

 多重ジャンクションには二種類ある。

 一つは、イデアから乗り移ってきたアルティミシアと、そこに更に入り込んできたスコール(エルオーネ)の場合だ。AとBが別の経路(別の時間)を経過して別個に対象Cに入り込んだ場合であり、このとき互いの存在は魔女であるなし関係なく、互いに認知できている。

スコール(ここは……あの時の……。リノア……。これはリノアじゃない!)

(中略)

スコール(アルティミシア!? 未来の魔女がリノアの中に!?)

(中略)

魔女アルティミシア「誰だ!? 出て行け!」

 一方、もう一つの多重ジャンクションは、Aが対象Bにジャンクションし、そのBが更に対象Cにジャンクションした場合である。

 G.F.はスコールにジャンクションし、その対象(スコール)の肉体を以て力を振るうことができる。そしてまた、その状態のスコールがラグナにジャンクションした場合でも、G.F.G.F.を知らないはずのラグナの肉体を介して力を振るう(顕現する)ことが可能なのである。

 つまり、ジャンクション対象のネストの深度・階層にかかわらず、ジャンクションの主体はジャンクションの客体を(少なくとも或る程度)操ることが可能なのである。これはG.F.に限った話ではない。スコールだってラグナの行動を或る程度操れていたし、ラグナ達のレベルはスコール達のレベルに、少なくともジャンクションしている間は連動していた。

ラグナ「なんだなんだなんだ〜! 最初のパトロールの帰り道はこっちと決めてるんだよな、オレは」

キロス「妖精さんの仕業か?」

ラグナ「……かもしれない」

 もっとメタ的な視点で言うならば、この場面はプレイヤがジャンクションしたスコールを操り、操ったスコールがジャンクションしたラグナを操ったとしても良いだろう。

 この妖精さんを、ラグナはノイズのように薄ぼんやりと感じていた。ゲーム中の現象を見る限り、この認知の程度は「操り度」と比例している。つまり、イデアやリノアの肉体をほぼ完璧に操れていたアルティミシアの存在を、イデアとリノアはラグナのようにぼんやりとではなく、しっかりと言語の領域まで(時間圧縮という言葉まで)認知していたのである。

ゼル「過去で何をする?」

(中略)

イデア「時間圧縮」

……ジカンアッシュク。宇宙で……わたしの中に別の魔女がいたの。それは未来の魔女アルティミシア。アルティミシアの目的は時間圧縮。

 スコールがラグナの肉体のレベルを自分と同じレベルにまで引き上げたのと同様、アルティミシアもまたイデアの身体に自らの力を発現させている。メイルシュトロームである。割合ダメージ+カーズの効果を持つこの技はイデアのものではなく、アルティミシアのものである。それをイデアにジャンクションした状態で、アルティミシアは振るったのである。スコールがラグナにジャンクションした状態でG.F.を使用できたのと同様である。

 さて、これらが同様の現象であるならば、エルオーネの力を用いれば実は面白いことができた。アルティミシアのジャンクションしたリノアをアデルにジャンクションさせ、リノアだけを現在に引き戻した『愛と友情、勇気の大作戦』である。

 G.F.のジャンクションしたスコールをラグナにジャンクションさせ、その時点でスコールだけを現在に引き戻せば、エルオーネはラグナに、あの時代には膾炙していなかった(或いは確立すらしていなかったかもしれない)G.F.ジャンクションの技術を、渡すことが可能だったかもしれないのである。でも結局しなかったし、過去は変わらなかった。或いは変えなかった。

 18年前、ラグナ達は妖精さんが来ているとき以外、G.F.を使えなかった。その過去が先にあっただけの話である。未来に於いて過去は変えることができない。ここに矛盾はない。

猫が256匹って何のこと?

 F.H.の駅の前で、日向ぼっこをしている男からこんな話が聞ける。

オレの家にはなぁ、猫が256匹くらいいるんだよ。

でも、どうしてか分からないけど、オレ、それ以上は数えられないんだ……。

 わからない人には、この256の意味が全然わからないことだろう。

 単純に言ってしまえば、8bit=0〜255(計256)=0xFF(16進数)で、256まで数えたらまた最初に戻る(ループする)ことを指し示しているし、同時にファイナルファンタジー8であることを指し示している。要するにプログラマの遊びだ。

 しかしここで肝心なのは、「猫」を持ってきたことではないかと思う。

 タイムリープものとして一世を風靡した作品がある。ロバート・アンスン・ハインラインの『夏への扉』だ。この作品以降、論理的タイムリープ物語と言えば「猫」がつきものなのだ。そしてそれ以前に、タイムリープものといえば「ラブストーリィ」がつきものなのだ。

 ラブストーリィ、かつエルオーネと時間圧縮、かつ猫が0xFFまでしか数えられない、と来れば、先の展開は読めたようなものである。こんなところでネタバレして良いのかよ、とここは笑うべきだろう(笑)。

猫はいい……アンタもそう思うだろ?

そうだよなぁ……猫は最高だ……。

 因みにロバート・アンスン・ハインラインは『月は無慈悲な夜の女王』の作者。もし「ハイン」がこっちから来てるんだとしたらわたしは笑う。いや充分考えられるんですがね。少なくともエスタの「ルナゲート」に関しては『ルナ・ゲートの彼方』からでしょう。コールドスリープだし(笑)。

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