Disk1、森のフクロウの任務遂行中に、森のフクロウアジトの作戦会議室で幾つかの記事が読める。
『月刊暗黒政治経済』というティンバーの雑誌だが、FF8の歴史を知る上で重要と思われるので、未読の方は是非御一読あれ。
戦慄の『月刊暗黒政治経済』創刊号!!
ガルバディア共和国の事実上の独裁者
『ビンザー・デリング大統領』!
なぜ、現在まで君臨し続けることができたのか!?
その謎を暴く!!
驚愕の『月刊暗黒政治経済』第2号!!
デリング大統領は、若くして
第二次魔女戦争終結後に大統領に就任
早急に国民の支持を得るための手段として
『ティンバー制圧』を計画し実行にうつした
たった1人の腹黒い男のデビューを
華々しく飾る……ただそれだけのために……
わが国ティンバーは
その血を流し肉を切り刻まれたのだ
彼、ビンザー・デリングの独裁者への道は
ここから始まる……
勃発の『月刊暗黒政治経済』第3号!!
反政府的な者の収容を目的とし
デリングシティ南方の砂漠地帯に
『D地区収容所』を建設
その建設には、国税を湯水のように使用
当時、国民支持が半分以下に下がるが
収容所連行を合い言葉に、すぐに元通りに
入ると二度と出られないと言われた収容所は
ティンバーだけではなく、ガルバディア本国でも
反政府的な行動をした者は即刻、収容
さらに、反逆を企てた本人のみならず
家族も連行されるため、反政府の活動は
一族の死をも覚悟しなくてはならなかった
この頃より、デリング大統領の側近は
全てYESマンで構成されるようになり
デリングの独裁者ぶりに拍車をかけることとなる
衝撃の『月刊暗黒政治経済』最終号!!
ガルバディア軍ミサイル基地は
情報遮断を行ったエスタをのぞき
世界唯一の長距離ミサイルを保持している
実戦で使用されたことはないが
長距離ミサイルの存在は
各国にとって驚異となっている
電波が使用不能状態でも
確実に目標を捕捉する機能を備えた
ミサイルだと言われているが実態は不明
大統領が、このミサイルのスイッチを
押すときは……来るのか……
その時……我々ティ…… …… ……
(最後のほうは印刷がかすれて読めない……)
ティンバーは森林に囲まれた国だった。
ところが18年前、ガルバディアが攻め込んできたんだな、うん。そしてアッサリ占領されちまった。
それからガルバディア領ティンバーってわけだ。
ドール公国の南方に位置するフォレスト地帯にある街。
かつては国であったが、ガルバディアに接していたため最も早く攻められ、18年前にガルバディア領となり現在に至る。
しかし、現在もガルバディアと戦う数多くのレジスタンスグループが活動を続けている。
この『森のフクロウ』を作ったのは、ワッツとゾーンの親父さん、2人なんだ。
18年前……ティンバー制圧の前日に、最後の激しいレジスタンス狩りがあった。親父さんら2人は、街のみんなを守るために自ら進んで……盾になって死んでいった。見せしめと言って……ガルバディア兵たちは2人に向かって、銃を乱射したんだ……。
そんな2人をボロぞうきんを見るみたいな目で見下してやがったのが……デリングだ。大統領になったばかりで、自分の力を見せつけるためだけに……。兵士の銃を取り上げ、親父さんらの屍に必要もないトドメをさした……。
東の大国エスタは最大の驚異だよ。かつて魔女アデルとともに世界中を侵攻した国。
突然の終戦以来、エスタは沈黙を続けてきた。魔女アデルの消息は未だ分からない。エスタの実態は今も昔も厚いベールの向こうだ。
エスタが再び攻めてくる可能性は大きい。我々は力を蓄えるために他国を占領していった。だが、その頃から何かが狂いはじめてしまった
優れた科学技術を持つエスタが世界に侵攻した魔女戦争を契機に、ガルバディアは領土の拡大と軍備の増強を推進。若くして大統領に就任したビンザー・デリングが、十数年でガルバディアを西の大国にまで押し上げた。
え〜と、一番最近で有名な魔女と言えば、魔女アデルだよね? 私たちが子供の頃に終わった魔女戦争の原因を作った魔女。
この魔女アデルが消息不明になって魔女戦争はなんだかうやむやのうちに終わったって歴史で習ったよね?
衛兵「なあ、エスタ兵、来ると思うか?」
ラグナ「ありゃ2年前なんだろ? 来るならとっくに来てるんじゃねえか?」
衛兵「ここへ来て2年。はっきり言ってタイクツだ」
ラグナ「エスタ兵の恥ずかしい仕事よりマシだろ? あいつら、女の子の誘拐なんてするんだぜ?」
衛兵「エスタの支配者、魔女アデルの後継者捜しらしいな。次にやつらが来たら、レインとこのエルオーネは、まずアウトだろうな」
大統領になったばかりで、
早急に国民の支持を得るための手段として『ティンバー制圧』を計画し実行にうつした。
大統領の名を冠した首都・デリングシティに居り、且つティンバー兵と戦う予定だったので、あれはデリング大統領就任後の18年前。
第二次魔女戦争終結なので、エスタが世界に侵攻した第二次魔女戦争終結は18年以上昔の話。
タイクツなほど静かなままデリング大統領就任に至る。よって魔女戦争終結はほぼ20年前。
魔女戦争はなんだかうやむやのうちに終わったことになっている(セルフィの日記の信憑性は実は薄いんだが)。
時系列に並べると以下か。
このデリング大統領就任前の第二次魔女戦争の突然の終戦
の理由が、実は不明なのである。終戦以来、エスタは沈黙を続けてきた
ことに関しては、ラグナがそのまま大統領に就いて世界との交信を断っていたからであろうが、そもそも何故アデルは突如、(エルオーネの誘拐を抜かし)沈黙を始めたのか?
後のラグナの話によれば、突然の終戦
を打ち出しながらもアデルは、巨大破壊兵器となる大石柱
の存在を失うまいとしていたようである。
アデル「何事か?」
ラグナ「大石柱を移動させた犯人を追いつめました」
アデル「どこだ?」
ラグナ「あの中へ。エルオーネを人質にして……」
他国へ進出するつもりはあった、なのにそれを一旦止めてでもしなければならないことができた、ということだろうか。そうしながらも、エルオーネだけは手に入れなければならなかったのだろうか。
ここで一つの事象を挙げる。対アルティミシア戦に於いて、エルオーネはリノアとアルティミシアをアデルに接続させたが、一体いつのアデルに接続させたのだ? それは封印された17年前より昔のアデルであることは確実である。
結局時間圧縮自体は失敗したにしろ、イデアやリノアがアルティミシアの目的を語ったように、ジャンクションを受けたアデルもまた、アルティミシアという未来の魔女の存在を知ってしまったと思われる。つまり第二次魔女戦争の終戦、それ自体にアルティミシアが絡んでくる可能性が高いのである。
とすれば、アルティミシアが去った後のアデル(及び関係者)が、「後継者捜し」でわざわざ二回もウィンヒルに赴き、エルオーネを探し出したこと、これの意味も変わってくるだろう。
エルオーネだけでもレインの元に返そうと思ったのが間違いだった。
ラグナは、エルオーネだけをウィンヒルに帰したのである。無論この意味は「自分は帰らなかった」ではあるが、それにしても捕らわれていたのがそもそもエルオーネだけだったということが問題なのである。世界各地から、強引に娘を連れて
きていたという噂である、なのに捕らわれていたのはエルオーネだけで、アデルが興味を持っていたのもエルオーネだけ。
これは何かに似ていないだろうか。そう、エルオーネを探して、居場所をなくすために世界各地を焼いて回ったイデアと同じだ。更に穿って言うならば、もしアルティミシアの接続が終戦よりもっと古い時代であったのならば、つまり第二次魔女戦争の開戦にアルティミシアが関与していたのならば、そもそもアデルが世界に進出した目的がエルオーネということも考えられないでもない。とすれば、終戦は20年前の女の子狩りで「エルオーネが見付かったため」となる。こちらのほうがすっきりするか。
恐らくアルティミシアによってエルオーネを知ったアデルが、何を求めて彼女を欲したかは不明だが、この際それはどうでも良い。オダインはともかく、アデルがもはや後継者でも能力ある娘達でもなく、エルオーネ個人を欲した、ということが問題なのである。
いずれにしろ、スコールが自分の運命を過去に作ってしまったように、エルオーネもまた、自分の運命を過去に作ってしまったのだろう。
こうなると恐ろしいのが、ラグナが果たして何処までわかっていてアデルの封印計画及び『愛と友情、勇気の大作戦』を打ち出したか、ということだ。それはまた、エルオーネが何処まで知っていたのか、ということにも繋がる。
エルオーネの名を出せば、奴が簡単に中に入るのはわかっていた。
これと、「スコールならばアルティミシアを倒してくるのはわかっていた」のと、一体何が違うというのか。
イデアにとっては「始まり」は13年前だったかもしれないが、エルオーネにとってはもっと昔に物語は始まっていたのかもしれない。アデルではなくイデアにアルティミシアを送っていれば、ひょっとしたら「過去は変わってかもしれない」のに、結局アルティミシアを倒すために、スコールを過去に送ったことも含めて、彼女はただの一度も過去を変えようとはしなかったのだ、としか思えないのである。
どうしてこんなに、いっぺんにいろんなことが起こるんだ〜? これじゃ、まるで誰かが仕組んだみたいじゃねえか!
あん? ……仕組んだ?