真名或いは魔名

Sleeping Lion Heart
FF6は魔法を習得する際、モンスターと戦って得られる魔法経験値のようなものが存在していた。魔法習得値という。
通常の敵は1ポイント程度である。ボスでさえ、3、4ポイントであることがザラだ。
さて、ここに小三角島という島がある。
三角という形、或いは3という数字は、魔女(女神)にとって意味のある数字である。何故なら太母神は、多く三相の姿を有しているからである。
蛇−女神−巫女。或いは乙女−母親−老婆、即ち創造者−維持者−破壊者。生−死−再生、過去−現在−未来、今居まし者−昔居まし者−やがて来たりし者。つまり究極の真理であり、全一性である運命の三女神の象徴としての数字である。
(Five Star Storiesを好きな人は、クローソー−ラケシス−アトロポスのモイラを挙げたほうがわかるかも)
魔法を使う者としての魔導士が、三角形の大地の上に住むことは何ら不思議ではない。
さて、若干話がずれた。ここに、一匹の特殊な敵が出現する。
通常のモンスターの魔法習得値は既にして述べた。ならばこの特殊性がわかるであろう。
その敵は、魔法習得値10という驚異的な値を提供する(通常経験値はない)。
そのモンスターの名前こそ、眠れる獅子という。
そもそも何故スコールのカードを変化させるとスリースターズ×3なのだ。それが非常に疑問だった。
Ultimecia
FF8の世界に多く月が出現することから、アルティミシアの名は月の女神、アルテミス(Artemis)に由来するとする説が多いようだ。
ハティとスコルからしても、月を連想するのは容易いが、さて。
月から月の涙が地上に落ち、多くそのために人が死ぬ。
これによく似た話が、『ヨハネの黙示録』第八章に出てくる。

第三の天使がラッパを吹いた。すると、松明のように燃えている大きな星が、天から落ちて来て、川という川の三分の一と、その水源の上に落ちた。

この星の名は「苦よもぎ」といい、水の三分の一が苦よもぎのように苦くなって、そのために多くの人が死んだ。

この「ニガヨモギ」がロシア語で「チェルノブイリ」と言うことはもはや有名のようだが、この植物が「薬草の母」と呼ばれ、多くアルテミス女神に捧げられたということはあまり知られていない。
ニガヨモギの学名こそがArtemisia Absinthium。アルテミシア・アプシンジウムである。
ヨモギ属(Artemisia)のアブサンである。かの「魔の酒」と呼ばれたアブサンの原料として有名だ。
無論、これは偶然ではない。アブサン(アルテミシア)を使用した(パウロ教から見た)魔女、即ちアルテミスに仕える巫女は、多く薬剤の知識を持つ者であり、その劇薬を祭祀に用いたのである。
このアルテミシア、英語ではWormwoodと言う。古英語Wermodの転訛系だが、Wermodが「霊−母」を意味することも、無論偶然ではない。
月女神、アルテミスもまた三相の女神であり、「生命の母親」「切る人」「屠殺者」などと呼ばれていたということである。
さて、ここでアルティミシアの騎士、サイファーが犬を嫌い、ペットと呼ばれなければならなかった必然性が出てくるかもしれない。
月女神、アルテミスにはまた、「女猟師」という添え名も存在していた。アルテミスの巫女達は、猟犬の仮面を被ったスキタイ人をアラン(猟犬)と呼んで狩りをした。
つまり、犬とはアルテミスに仕える聖獣である。
現在、この名残はタロットカードに多く見られる。「月」のカードでは、地上で犬が死を告げている。
この犬の守る門(女陰の象徴)を通り、英雄達は死と変容への道を歩むのである。
この役割から言えば、アルテミス(アルティミシア)とヒーロー(サケル)の間に、サイファーが立ち塞がったのは当然である。
Almasy
Alma Mater(アルマ・マーテル)とは、「霊魂−母親」の意味である。
これはAl-Mahに由来する。アル・マーとはヘブライ語で聖母マリアの添え名であり、中東地方の月女神の名である。
とすれば、アル・マーに付くシーはsheでもseaでも意味が通る。
或いはサイファーのゲーム上の役割から言えばAlmightyか。
Edea
Ideaという言葉が、考え、アイディアなどを今以て示すことは言うべくもないが、語源としては「霊感(in-spiration)」に端を発する。
この単語、字義としては「女神の精気を吸い込む」という意味である。
この「女神の精気」こそI-deaである。
(女神転生で出てくるディアという魔法もここからかな)
Ideaは「内在する女神」とも取れる。IがEに変容したのは、ラテン語のIdeaに対するギリシア語のEideからであろうか。
さて、この「霊感」の源としての9体の女神、ムーサもまた本来は三相の女神であり、この第一相をムネモシュネ(Mnemosyne)と言う。
ムネモシュネ。「記憶」の意である。
ESTHAR
星を意味するEsther(エステル)という言葉がある。女神イシュタル(Ishtar)のヘブライ語である。
イシュタルは天后に相当するアシュタレト、アテナ、アシュラ、アフロディテ、マリ等の名で登場する。
『ヨハネの黙示録』によると「大いなるバビロン」または「淫婦どもの母」とされる豊かなる大娼婦である。
「女神の中の女神」「天と地の女王」「万軍を率いる者」「地上の法律」「天界の掟」「正義の判事」「罪を赦す者」「世界の光」、これらが彼女の内包する称号である。